猛暑で寝苦しい日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回のブログは、活動的な人、特にアスリートの睡眠環境と睡眠衛生行動を包括的に管理することが睡眠の回復効果を最適化し、アスリートの身体パフォーマンスを高める上で重要であることを強調するデータをまとめてみたいと思います。
アスリートやPhysically Active Individuals(PAI)が国際的にハイレベルな目標を達成するだけでなく、仕事や家庭でも活動的な日常生活を送るためには高い回復水準を維持する必要がある。
この文脈において、競技(トレーニングも含む)中および競技(トレーニングも含む)後の認知的・身体的パフォーマンスの維持、サポート、最適化における睡眠の役割は最も重要である。
しかし、アスリートだけでなくPAIも7時間未満の慢性睡眠不足に陥りやすい人が多い。
プロアスリートを対象に行われた研究では、同年代のグループに比べて睡眠の質と睡眠衛生が低いことが観察され、特に競技後の入眠困難が特徴的だった。
睡眠障害はスポーツ科学においてますます関心が高まっている分野である。ここでいう「障害」とは、不眠症、概日リズム障害、睡眠時無呼吸症候群、過眠症/ナルコレプシー、睡眠時随伴症、レストレスレッグス症候群/周期性四肢運動障害を含む睡眠関連する様々な障害を指す。
アスリートやPAI集団では、入眠潜時の延長、入眠後の過度の覚醒、総睡眠時間の短縮、主観的および/または客観的評価に基づく睡眠効率の低さ、睡眠の質の低さといったパラメータも睡眠障害の定義に組み込まれ、これは一般的な健康状態、傷害リスク、キャリア寿命に影響を及ぼす可能性がある。
リンクのレビューは、アスリートおよびPAIの健康とパフォーマンスにおける睡眠衛生の重要性に関する科学的根拠を検討したもの。
【結果】
良好な睡眠衛生環境、十分な睡眠時間(一晩あたり7~9時間)、睡眠の質の高さ、規則正しい睡眠習慣はアスリートの健康状態やパフォーマンス変数に影響を及ぼすことが明らかになった。
規則正しい睡眠習慣は、
・トレーニング後の回復
・受傷リスク減少
・集中力と注意力の向上
・協調運動と筋力の向上
・より良い気分と精神的幸福
・慢性疾患のリスク減少
と関連することが明らかになった。
【結論】
睡眠衛生はPAIの健康とパフォーマンスにとって重要な要素である。
限界はあるものの、エビデンスに基づく睡眠衛生プロトコルに関する包括的文献レビューは、アスリートと一般人口の両方にとって貴重な洞察を提供するものである。
Boost Your Brainpower: 24 Daily Sleep Hacks for Active Lifestyles
・レビューでは、睡眠覚醒サイクルの3段階(睡眠前、睡眠中、睡眠後)において、特定の推奨事項を遵守することで睡眠の質と量の両方が有意に向上することが明らかになった。これらの改善は、運動能力におけるポジティブな結果と関連している、PAIの身体的・精神的健康、および全体的な幸福にプラスの結果をもたらす。
・睡眠前段階の睡眠状態を最適化するための重要戦略
1. 一貫した睡眠スケジュールを維持することで概日リズムを環境シグナルに合わせ、睡眠の開始と質の向上を促進する。
2. 電子機器から放出されるブルーライトへの曝露を最小限に抑え、就寝前のテクノロジーの使用を減らす。
3. マインドフルネス、瞑想、呼吸法を行う
4. 読書、心を落ち着かせる音楽を聴くなど、刺激を与えない活動をする
5. 就寝間際の激しい運動を避ける
6. 食事療法、体重管理、アロマセラピーやサプリメントの適切な使用
・最適な寝室温度(涼しい)などの睡眠環境は睡眠の質を左右する重要要素である。不快感や痛みを最小限に抑えるためには、中程度の硬さのマットレスと適切な枕が不可欠。アイマスクや耳栓などの睡眠補助具の使用で電磁波曝露や環境騒音を減らす。
・睡眠後の行動も睡眠パターンと全体的な健康を調整する上で重要な役割を果たす。
1. 朝日を浴びることは概日リズムのリセットを助ける
2. 栄養価の高い朝食を摂り、一日を通して十分な水分補給をすることでエネルギーレベルが高まり、その後の睡眠の質が向上する。
3. 日中の身体活動は日中の覚醒度と夜間の睡眠準備の両方をより促進する。
ご紹介したデータ、は主に身体活動的な人を対象としたものですが、上記睡眠プロトコルの実践は座りがちなライフスタイルの成人にも有益でしょう。ぜひ試してみてください。