今回のブログは当院オヤクソクのベリー類のお話。
常連様たちには耳タコの内容だと思いますが、せっかく新しいデータだでていたので再確認の意味でひとつ読んでいただければ幸いです。
果物には抗酸化および抗炎症作用を示す化合物が多く含まれている。
特に、ベリー類の生理活性成分は慢性疾患予防やQOL向上など、人間の健康に有益な効果をもたらす。ブラックベリー(Rubus sp.)、ブルーベリー(Vaccinium myrtillus)、ブラックカラント(Ribes rugrum)、チョークベリー(Aronia melanocarpa)、クランベリー(V. macrocarpon)、ラズベリー(R. ideaus)、ブラックラズベリー(R. occidentalis)、ストロベリー(Fragaria ananassa)には多種多様なフェノール化合物(フラボノイド(アントシアニン、フラボノール、フラボン、フラバノール、フラバノン、イソフラボノイド)、スチルベン、タンニン、フェノール酸)が豊富に含まれており、フェノール系抗酸化物質の供給源である。
活性酸素種(ROS)の産生増加が身体疲労発現に関連し、筋肉における炎症と酸化的損傷が激しい運動後の回復プロセスに関与することを考慮すると、ベリー類は身体パフォーマンスを向上させるのに有効である可能性がある。
しかし、骨格筋の健常性に対するベリー食(またはベリー果実抽出物サプリメント)の効果に関するエビデンスはまだ不足している。
リンクのレビューは、ベリー類と骨格筋の健常性および身体パフォーマンスへの影響を調査した初めての系統的レビュー。
文献は23年12月まで6つの電子データベースで検索。検索された152論文をスクリーニングし、ベリーベース食への曝露と骨格筋の健康結果との影響を調査した16の報告が最終的に選択された。選択された研究のうち、9件がヒトを対象とし、7件が動物モデル(ラットおよびマウス)を対象としたものだった。
【結果】
ほとんどの研究が身体パフォーマンスまたは筋肉の健康にプラスの効果を報告している。
5研究が活動的なヒト被験者またはアスリートに対するカシスの影響の可能性を調査し、ブルーベリーに焦点を当てた3研究はランニングパフォーマンス(ヒトサンプル)と筋肉の健康(ラットモデル)に関する結果を発表。残りの研究は、ラズベリー(2研究、ラットモデル)、アロニア(1つの研究、ラットモデル)、エルダーベリー(1研究、ラットモデル)、および混合化合物(1研究、ラットモデル)だった。
【結論】
ベリー類を多く含む食事が身体パフォーマンスや筋肉の健常性を向上させる可能性があることを示すいくつかの初期の証拠がみつかった。
その根底にある生物学的軌跡を完全に理解するためにはさらなる研究が必要であり、確固たる結論はまだ出せない
・すべての研究が、筋肉の健常性や身体パフォーマンスに対してベリー類のポジティブな結果を報告しており、的を絞った摂取(カシス、ブルーベリー、アロニア)がいかに健康面にポジティブな結果をもたらすかを示唆している。
・カシスの効果に関する知見を分析すると主にスピードと敏捷性のパフォーマンスの向上を示した。動物モデルではピーク走速度(ランナー)および運動能力の総合的パフォーマンスの改善の可能性が示されている(マウスはグーズベリー/混合化合物、ラットはラズベリー)。
・アロニアはマウスモデルで握力に関して肯定的な結果をもたらした。
・骨格筋の健常性に関連しては、半回復までの時間(クライマーにおけるTTHR)の増加(カシス)、筋損傷の減衰、機能回復の改善(ヒト、カシス)が報告されている。最大収縮時の大腿四頭筋の動脈径の増大(ヒト、ブラックカラント)、8kmのランニングレース後の血中乳酸値への好影響(ヒト、ブルーベリー)、内皮機能および血管緊張の改善(ラット、ブルーベリー)、慢性筋肉痛に対する抗侵害受容活性(ラット、ラズベリー)、筋肉量の増加(マウス、アロニア)、神経毒にさらされたときの筋肉の協調運動障害と運動不全の回復(ラット、エルダーベリー)、抗疲労活性(マウス、混合化合物)も確認されている。
・可能性のある基礎メカニズムとして、抗酸化物質の補給が持久力トレーニング、運動直後の抗酸化能力、ミトコンドリア生合成、細胞防御機構、インスリン感受性を改善する可能性があげられる。抗酸化物質は激しい負荷の後に筋細胞が細胞膜を修復する能力を阻害することによって、筋肉の成長を阻害する可能性もある。
ベリー類の抗酸化能はそれ単独でも素晴らしいのものがあるが、より酸化能をブーストして身体への好影響を増加させる方法がある。
シーズン中の試合毎の回復が必須のアスリートや、高負荷の肉体労働に従事している方はそちらの方法がおすすめです。
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