首や肩の痛みで意外と見過ごされ(アプローチが甘い?)がちな斜角筋症候群。
先日診させていただいたケースは、斜角筋の過緊張と神経圧迫による腕の感覚異常と首前部、肩甲骨周囲の痛みの慢性化。
以前通っていた治療院では上部僧帽のリリースと頸椎のアジャスメントのみで通わされていたらしい….
当院では、特に前斜角筋の過緊張がキツかったので重点的に治療して、その他関連構造も全て治療。患者さんにお聞きした限りでは、治療後の感覚はだいぶ良さそうだった。
遠方からわざわざお越しいただいた甲斐があり、ほっと胸を撫で下ろした。
何回か治療するもののなかなか寛解しない首、肩の痛みでお困りの方は一度当院にご相談ください。
さて、皆さんジムでトレーナーから耳タコでタンパク質の話を聞かされていると思うが、どの種類のタンパク質(食事、サプリ)とレジスタンストレーニングの組み合わせが筋生理学、特に筋肉量と筋力の増強に最も効果的か、エビデンスベースで納得のいく説明をうけているだろうか?
栄養処方は、年齢、性別、トレーニングプロトコル、サプリの量や組成など多くの要因が生理学的プロセスに多様な影響を及ぼすことから、理想の身体状態を獲得するための処方をデザインすることは非常に難しく、生理学的プロセスに対する深い理解が必要である。
ジムで主に行われているレジスタンストレーニングに対する筋組織の反応(筋タンパク質のカタボリックとアナボリック)を高めるためには、通常の食事に加えてサプリによる補助的アプローチが不可欠と一般に考えられている。
したがって、タンパク質を主成分とするサプリの選択では、アミノ酸組成、消化性および吸収のしやすさといった要素や、多様なタンパク質源が体重、体格指数(BMI)、その他の関連する身体パラメータに及ぼす多面的な影響を理解することは極めて重要といえるだろう。
リンクの研究は、レジスタンストレーニングとサプリメントの併用が筋肥大と関連パラメータに与える影響を調査するために、若年の女子学生5グループを対象に4種類の異なるタンパク質源ベースサプリメントの効果を評価したもの。
対象の女性たちはさまざまなタンパク質サプリメント(肉、菜食主義者仕様、分岐鎖アミノ酸[BCAA]、ホエイ、対照群)を含む個別化された食事計画を、運動計画と組み合わせて8週間続け、レジスタンス運動と組み合わせた消費効果が体組成に及ぼす影響を評価。
【結果】
BCAA補給はグループのBMIが有意に低下することが示された。
最終的な測定値をグループ間で比較すると、BCAAとビーガンサプリメントは、体重と肥満度の有意な減少を引き起こした。
肉を補給したグループのBMIは、BCAAを補給したグループよりも統計的に高かった。
参加者の筋量を生成するために消費されたタンパク質の種類に有意な変化は観察されなかった。
参加者は総エネルギー消費量の不足を示したが多量栄養素の分布は正常だった。
8週間の介入後、肉とBCAAは体重とBMIを減少させたが統計的な差は観察されなかった。
・研究開始前の参加者のエネルギー摂取量(kcal)が低いことが示され、参加者の高い割合(85.8%)がエネルギー摂取不足を示した。参加者が学生であったことを考慮すると、エネルギー摂取量が少なかったことの説明として睡眠効率があげられる。ある研究では、日本人女性(18~27歳)における総エネルギー摂取量不足が報告されており、これは睡眠効率の低さと関連していた。本研究中に行われたフォローアップ面接でも、学生たちは過度の学業活動のために睡眠時間が少ないことを頻繁にコメントした。
・肉ベースのサプリメントを摂取した被験者は、体重とBMIがわずかに増加する傾向を示したが、これらの変化は統計学的有意差には達しなかった。また、肉類を主成分とするサプリメントを摂取したグループで、期待されたような骨格筋量(SMM)の有意な増加は認められなかった。さらに、肉由来サプリメントを摂取した群では体脂肪量の有意な減少はみられなかった。
一方で、除脂肪組織量と筋力増強においてタンパク質強化食(赤身肉の摂取)と漸進的レジスタンストレーニングの統合がプラスの影響を与えることを強調する研究もあり議論が続いていることは留意すべきである。
・ホエイプロテイングループでは、8週間後の測定で、体重、SMM、BMIの増加がみられ、体脂肪量の減少がみられた。しかし、いずれも統計学的に有意ではなかった。
・ヴィーガンタンパク質を補給した場合、体重、骨格筋量(も、落ちていることに個人的には注意したい)、体脂肪量、体格指数の減少が観察されたが、統計的な差は認められなかった。これは、動物性タンパク質と比較した植物性タンパク質の消化率、生物学的利用率、生物学的価値の違いに関連している可能性がある。生物学的利用能と消化能は、タンパク質源が体内で利用される能力に影響する。植物由来のタンパク質と動物由来のタンパク質では、生物学的消化能に違いがあり、乳タンパク質の消化率は大豆、エンドウ豆、小麦のタンパク質よりも高いことが研究で証明されている。
・サプリメントとしてのBCAAの影響とその効果を対比して分析すると特定の知見が目立つ。
ある研究では、BCAA含有するサプリメントを3週間にわたるトレーニングで摂取した結果、参加者のパフォーマンスと除脂肪体重(筋肉量相当(MME)を含む)の向上が観察された。これは、統計的に有意ではなかったものの、MMEを含むすべての変数において減少が観察された今回の評価結果とは対照的である。この研究では、SMMとBMIが減少する対照的な傾向がみられ、BMIは統計的に有意だった。
・レジスタンス運動を行い、1.2g/kg/日のタンパク質を摂取する食事療法を行っている健常人を対象とした研究でBCAAを補充した結果、レジスタンス運動を行っている人の疼痛知覚が減少した。しかし、タンパク質を摂取するタイミングは筋機能に明らかな影響を及ぼさないことが示されたことから、アミノ酸摂取量を増加させたタンパク質食を遵守しても、アミノ酸が筋肉の回復に及ぼす影響はわずかであることが強調された。筋合成や筋力増強に対する観察可能な効果は認められなかった。
・ココアの摂取が最適な身体状態の維持に寄与する可能性が示唆され、骨格筋内のタンパク質合成の増加が示唆された。この傾向は、レジスタンス・トレーニングに対する潜在的な適応を示している可能性があり、おそらく内因性炭水化物の蓄積によって促進されていると考えられる。
・エンデュランス系スポーツにおける飲料としてのココア入り牛乳の影響を調査した研究では、この組み合わせがタンパク質、脂質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルの豊富な供給源として役立つことが指摘された。さらに、タンパク質と組み合わせた場合、ココアは炭水化物源として筋肉の回復に貢献し、参加者のパフォーマンスを高める可能性がある。
・より消化のよいタンパク質は骨格筋合成と分解に重点を置いた代謝活動に必要なアミノ酸を供給する。植物性タンパク質は動物性タンパク質に比べて消化率が低い(0~100の尺度で56~67、100はタンパク質の完全利用を意味する)(肉は73-94)、この研究で肉類を補給した女性とヴィーガンタンパク質を補給した女性との間に観察された体重差を説明する可能性がある。
・BCAAは、ロイシンのような特定のアミノ酸が代謝プロセスに積極的に関与するシグナル伝達分子として作用することでタンパク質合成において極めて重要な役割を果たす。BCAA給はタンパク質の合成または分解を誘導し、タンパク質のバランスに寄与すると考えられてきたが、BCAAを補給された人は肉類を補給された人に比べてBMIが低下したという今回の研究結果と矛盾するように思われる。
ある研究では、21日間にわたって食間にBCAA補給を行った結果、女性の安静時代謝量が増加し、満腹感が高まり、炭水化物摂取量が減少した。これは、BCAAを補給した女性のBMI減少が肉類を補給した女性と比較して統計的に有意であったこの研究の結果と一致する。
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