2021年7月までに1億8100万人以上がコロナに感染し、390万人以上が死亡している。
重症化は、患者の15%に発生している。
重症化の危険因子には、男性、高齢、高血糖、高血糖、高血圧、脂質異常などの心血管危険因子が挙げられる。
さらに、グレード2の肥満患者は痩せ型の患者に比べて集中治療室(ICU)に入院する可能性が7倍高い。
ある研究では、ICUでの人工呼吸の実施率が肥満患者では81%であったのに対して、痩せ型の患者さんでは41%だった。
下のデータは、メタボリックシンドロームがCOVID-19の悪化と関連しているかどうかを評価した研究。
メタボリックシンドローム(MetS)とは、肥満、高血糖、高血圧、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症のうち、3~5項目が共存する状態を指す。
これらのMetS構成要素の数が多いほど、コロナは重症化しやすく予後が悪いことがわかった。
COVID19のためにAvicenne病院(フランス、Bobigny)に入院した患者の約80%がMetSであった。
MetS患者は、そうでない患者に比べて5倍の悪化リスクがあると考えられると結論。
The association of metabolic syndrome and COVID-19 deterioration
・MetSはCOVID-19悪化の複合的な予測因子と考えるべきである。
・米国ニューオーリンズのCOVID-19入院患者287人におけるMetSの有病率は66%であったと報告された。
・イランのテヘランにあるICUで行われた別の研究では、157名の患者におけるMetSの有病率が47.1%であったと報告されている。
・この研究では、14.2%以上の患者がMetSの5つの要素をすべて満たしていた。今回の結果は、MetSがCOVID-19の悪化と独立して関連していることを示唆している。
・他の研究では、MetSはCOVID-19の死亡率、侵襲的機械換気、ICUへの移動と関連していた。ICUに入院した患者のみを対象としたイランの研究では、MetSを持つ患者は持たない患者と比較して、死亡リスクが3.3倍に上昇していた。
・我々の研究では、他の研究と同様に、MetS構成要素の数が多いこととCOVID-19の悪化の頻度が高いこととの間に関連性があることがわかった。
入院時の血糖値と肥満は、COVID-19の予後不良と関連し、糖尿病を有するCOVID-19患者の予後の悪さと関連している。
・COVID-19の悪化は、サイトカインによって引き起こされる後期の急激な呼吸器系の悪化(7日目~10日目)が特徴。肺への浸潤と自然免疫細胞の過剰活性化を引き起こす。MetSの特徴である内臓脂肪は、低悪性度の全身性および慢性炎症の誘因としてよく知られている。この炎症環境は、COVID-19サイトカインの炎症性ストームを増加させ、急性呼吸窮迫症候群を誘発する。
・さらに肥満は、細胞障害性T細胞の数や機能を変化させ免疫抑制を誘発する。