スクワットを行う際のモーションペイン。
先日担当した症例は、ボトムから切り返すときに一か所だけピンポイントで痛みが発現する仙腸関節痛。
痛みの出る部位は赤丸の所。
仙腸関節全体の関節モーションを検査してみると、全体的な動きは悪くない。
赤丸のところだけわずかに関節のスライドが鈍くなっている。
ほんの指先程度の範囲の問題だが、普段から神経を張り詰めて追い込んでいるハードトレーニーはこの程度の異常でも察知するのだろう。
逆に運動不足で感覚が鈍っている人は、何となく仙腸関節やお尻付近が痛く感じるのかもしれない。
またスクワットフォームを確認すると、総じて骨盤底と臀筋群の使い方に狂いが生じている方が多い。
臀筋の収縮は抜くのではなく、伸張性収縮を用いることで腰仙部の負担は大きく減るが、ヒップに効かせたいという意識からかいわゆるプリケツになりすぎて臀筋が弛緩して仙腸関節に問題が発生する。
アームカールのネガティブの時に弛緩なんて絶対しないだろう?
多関節運動の時だけどこかの筋のテンションが抜けていいなんてことはない。
このケースのようなわずかな関節のスライドの問題の場合、伝統的な仙腸関節のアジャスメント(横向きに寝て骨盤ボキっとやるやつ)や筋膜リリーステクニックでは効果は薄い。
本来の関節のスライド幅に合わせた、スクワットモーションと仙骨のモーションに対する精密なアジャスメントが必要。
痛みはすぐに寛解するケースが多い。