睡眠時、パソコン作業時、トレーニング時 etcの食いしばりによる顎関節痛、首の痛み、顔面痛のでお悩みの患者さんをご紹介いただく数の多さに驚いている。
皆様自覚症状はあるもののどこで治療すればいいのかわからなかったということで、やや慢性化している患者さんが少なくない。
咬筋や顎関節周辺筋群による末梢神経への影響もあり、顔面や頭部の違和感を抱えている方も多い。
上記のように細かい神経に支配されているので顔面の多くに触れなければならず患者さんにはいつも申し訳ない気持ちになるが、来院された多くの患者さんで症状の改善がみられるので顔や頭部を触られるのが嫌でない方は是非当院の治療を一度お試しください。
さて今回のブログは、更年期症状に対する食事性FSエキスサプリメントとRJの累積効果に関する初の研究をまとめてみたい。
女性が閉経を迎える年齢に関しては多くの遺伝的、環境的、生活要因によって高いばらつきがあり、平均して45.5歳から47.5歳とされている。
更年期には、女性の内分泌学的パネルは突然のエストロゲン減少によって様々な症状が引き起こされ、その程度は様々であるが生活の質(QOL)に大きな影響を与える。
閉経移行期〜閉経後、女性はほてり、睡眠障害、性的障害、膣乾燥、抑うつ、不安、不眠、骨や関節の不調、頭痛、筋肉量の減少など多くの症状を経験する。
ほてりや寝汗などの血管運動症状は身体を最も衰弱させる症状として報告されており、性ホルモンレベルの変化による二次的なものである。
精神症状もしばしば観察され、程度によっては専門的な治療が必要となる。
精神症状には、抑うつ、不安、いらいら、集中力の低下、記憶力の低下などがある。
従来のホルモン補充療法はすべての更年期症状を治療するために、大多数の女性に用いられてきたが、子宮異常出血、乳がん、乳房圧痛などの副作用は、時に利点を上回る。
そのため、健康的な老化や寿命の延長を促進する可能性のある食品サプリメント、ハーブ製品、植物性エストロゲンなど、非ホルモン性の天然化合物を含む代替医療に対する患者からの信頼はますます高まっている。
大豆は植物性エストロゲンの一種であるイソフラボンの含有量が多いため、ホルモン補充療法に代わって最も広く利用されている。イソフラボンは、ERαを含むエストロゲン受容体(ER)と結合することでエストロゲン様作用を発揮するフェノール化合物で、ERαは主に乳房と子宮に、ERβは主に循環器系と泌尿生殖器系、骨に分布している。
イソフラボンのエストロゲン様作用に関する過去の研究では、大豆の摂取と更年期症候群の緩和との関連性が検討されてきたが、その効果についてはまだ議論が多い。
大豆の発酵過程で起こる代謝活性や生体内変換の多さを考慮すると、更年期症状の管理にはイソフラボンを使用するよりも発酵大豆抽出物をベースにした製品や栄養補助食品を使用する方が良いとする意見もある。
ローヤルゼリー(RJ)もエストロゲン様作用を有することが示されており、健康的な老化や長寿、更年期障害の緩和のための貴重な薬効成分として利用できる可能性がある。
RJには抗炎症作用、抗菌作用、血管拡張作用、抗がん作用がある。
更年期におけるRJサプリメントに関する初の臨床試験では、800mg/日のRJが閉経後日本人女性の集団において、不安感、腰痛を減少させることが示されている。
リンクの研究は、ローヤルゼリーと大豆発酵エキスが閉経前後の女性の更年期症状とQOLに及ぼす影響を明らかにすることを目的としたもの。
20年6月から21年12月にかけてルーマニアの臨床病院で実施。
45~60歳の閉経前後の女性80人を2群に分け、第1群(40名)には1日2回、大豆発酵エキス入りサプリを8週間摂取させ、第2群(40名)には同じサプリに大豆発酵エキスとローヤルゼリーカプセル1500mgを8週間摂取させた。
治療後、MENQOLスコア、DASS-21スコア、毎日のホットフラッシュの平均回数と強さを記録しベースライン値と比較。
【結果】
8週後、両群ともMENQOL質問票のスコア、およびその全領域のスコアがベースラインと比較して低下した。
DASS-21スコア、抑うつスコア、不安スコア、ストレススコアも改善した。
ホットフラッシュの平均回数と強さは両群で減少した。
両群の治療後のこれらの変数を比較すると、発酵大豆エキスとローヤルゼリーカプセルのサプリを摂取した女性群では、MENQOL(血管運動、身体、心理社会的領域)のスコアがより低下し、毎日のホットフラッシュの平均回数がより減少した。
【結論】
食事性発酵大豆サプリメントとローヤルゼリーカプセルの両方が、更年期症状に対して有益な効果を有し、閉経前後の女性のQOLを高めることが示唆された。
また、両サプリを同時摂取することで、その効果が有意に向上する可能性があることが示唆された。
同時摂取しなかった更年期女性においてみ、QOLと血管運動症状が改善した可能性がある。
抑うつ、不安、ストレスの負の精神状態は、FS抽出物のみ、またはRJカプセルとFSを用いた8週間の治療後に改善を記録した。
同時摂取した患者はホットフラッシュの平均回数がより有意に減少した。
従って、従来のホルモン療法に否定的なす女性の更年期症状の緩和とQOL向上のための興味深い選択肢となりえる。
少なくとも中期的に、低価格、有益な効果、安全性により更年期障害に関連した症状の管理における貴重な代替薬となる可能性がある。
・現在までのところ、更年期症状に対する食事性FSエキスサプリメントとRJの累積効果に関する先行研究は見つかっていない。
・腸内細菌によってダイゼインから変換されるS-エクオールは、エストロゲン活性と抗酸化活性が最も高いイソフラボン由来代謝産物である。S-エクオールにはイソフラボンよりも優れた健康効果があることが提唱されている。閉経後日本人女性を対象とした二重盲検プラセボ対照試験では、10mg/日のS-エクオール含有サプリメントを12週間摂取することで、ホットフラッシュの回数と重症度がベースラインから大幅に減少したことが報告されている。
・DT56aは、豆腐由来の様々な植物性エストロゲンを含む天然化合物で、15年に行われた研究では4週間摂取した631人のスペイン人更年期または閉経前後の女性のうち、80.7%の患者がホットフラッシュが「良くなった」または「かなり良くなった」と報告した。
・ミツバチのRJがエストロゲン活性を有することが証明されており、更年期症状の管理に使用できる可能性がある。この研究では、RJカプセルを投与された女性はFS群と比較して、血管運動領域、心理社会領域、身体領域のスコアがより有意に低下し、MENQOLの総スコアもより低下した。さらに、FS群女性よりも毎日のホットフラッシュが少なかったと報告した。
ホットフラッシュの強さに関する群間差は有意ではなかった。
・18年の日本の研究では、42人の閉経後女性を対象に更年期症状に対する800mg/日のRJの効果が評価た。その結果、わずか4週間の投与で更年期症状が有意に改善し、ホットフラッシュ、発汗、めまい、身体的スコアが減少し、不安や抑うつ気分も軽減した。
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