トキソプラズマは人間も含む恒温動物に寄生してトキソプラズマ症を引き起こす寄生性原生動物で 、筋肉や脳に嚢胞を形成して長期間寄生します。
感染しても多くの場合無症状ですが、妊婦や感染すると先天性トキソプラズマ症を引き起こし、死産や流産、脳性まひなど重篤な症状をもたらす可能性があります。
主な感染経路は食品で、生肉、洗っていない野菜やフルーツに寄生しています。
・食品をよく洗う
・しっかり火を通す
・冷凍保存する
といった方法で感染を防げるので、予防はさほど難しくありません。
またトキソプラズマの終宿主は猫であるため、猫の糞便から感染するケースもあります。
トキソプラズマ症も問題ですが、もう一つの問題は感染した宿主の性格をゆがめてしまうこと。
トキソプラズマは感染後白血球を乗っ取って、恐怖感や不安感を鈍らせる神経伝達物質を製造します。
それによって感染者は、反応速度の遅延、恐怖心の欠如、無気力といった性格にコントロールされ、強いてはそれが日常生活の行動に影響が現れます。
例えば、トキソプラズマに感染したネズミは大敵である猫の尿の匂いに魅力を感じるようになり、猫に襲われる恐怖感が無くなってしまいます。
人間も同じ影響を受けている考えられ、感染者は死や受傷などへの恐怖感が薄れ、反応速度が遅延していることなどから交通事故 に遭う確率が高くなります。
そこで興味深いのは、フランス食品環境労働衛生安全庁が、フランスの人口の半数がトキソプラズマに感染し、毎年20~30万人が新たに罹患していると報告したことです。
フランスといえば先のイエローベストの問題などデモ~暴動が頻繁に行われている国。
暴徒が警官を襲い、街を破壊する様子を見て、なぜここまで攻撃的になれるのか・・・遺伝子の問題なのかはたまた?と不思議に思っていましたが、トキソプラズマの感染率を知って、なるほどと思う部分がありました。
トキソプラズマが白血球の中で作るGABAという神経伝達物質。
この物質の機能の乱れは統合失調症など精神障害で観察されます。
暴徒のの粗暴な行動をコントロールしているのはイデオロギーなどではなくひょっとしたら・・・
ちなみに全世界では30%が感染しているということですので、意外と身近なところにも感染者がいると思います。