最近様々な症状で数ヶ月〜長くて20年近く放置した結果、お困りの方からのご相談が頻繁にあるが、皆様非常に苦労されてる。
四十肩、手首、股関節、足関節捻挫 etc・・・で現在お困りの方、なんとかなるだろうと放置しても、可動域の喪失や恒常的な痛みに見舞われるようになって困り果てるだけなので初期のうちに治療した方が賢明ですよ。
最後は入院して手術するから別にいいというのであれば話が別ですが。
さて、今回のブログは肥満と睡眠に関するデータを簡単にまとめてみたい。
肥満は世界中で蔓延しており、当院にも肥満解消に関するお問い合わせが非常に多く寄せられる。
症状は様々だが、多くの肥満患者さんが悩んでいる症状の一つが睡眠障害。
近年、睡眠障害と肥満との関連を裏付ける証拠が多くの研究で報告されており、睡眠不足は食欲抑制ホルモンであるレプチンの減少と、食欲刺激ホルモンのグレリン増加との関連性が指摘されており肥満との負のループを生み出していると考えられる。
さらに、睡眠不足の人ではストレスホルモンであるコルチゾールの夜間血清レベルが上昇する。コルチゾールは覚醒と脂肪蓄積を促進する傾向があるため、睡眠不足は脂肪蓄積の増加とそれに続く体重増加につながる。
また、睡眠不足は交感神経系の興奮を亢進させてインスリン分泌を抑制する。
そういった睡眠不足による生理学的変化は、インスリン抵抗性、高血圧、メタボリックシンドロームの危険因子である。
不十分な睡眠時間と肥満の関連性を説明する上で、もう一つ重要な要素が食事の質である。
複数の研究で、睡眠不足と食物摂取の増加、間食、食事の質の低下との関連が明らかにされている。
健康的食事指数(HEI)は、米国農務省と保健福祉省が「米国人のための食生活指針(Dietary Guidelines for Americans)」と「フードガイドピラミッド(Food Guide Pyramid)」に基づいて食事の質を包括的に測定するために開発したも。
HEIは全体的な肥満と腹部肥満の両方のリスク低下および睡眠時間に関連す流ことが報告されている
リンクの研究は、お隣韓国における睡眠時間と肥満の関連を、KHEI(HEIを基に韓国疾病管理予防センターが韓国式健康的食事指数(KHEI)を開発)が、KHEIスコアによって異なるかどうかを調べたもの。
国民健康・栄養調査(2016~18年)に参加した19~64歳の成人10,967人(男性4623人、女性6344人)が対象。
【結果】
女性において、肥満は睡眠不足の割合が高いことと関連していたが、男性では関連していなかった。
共変量で調整後、睡眠不足の女性の肥満リスクは、睡眠が十分な女性の約1.5倍だった。
【結論】
睡眠不足の女性は肥満リスクが有意に高いことが明らかになった。
特に、食事の質を示すKHEIスコアが低い場合は顕著だった。
また、食事摂取基準や食事ガイドラインを満たす食事パターンが、睡眠不足によって引き起こされる肥満リスクを低減する重要かつ有意義な健康的ライフスタイルに寄与することも示唆された。
女性の睡眠不足と高肥満リスクとの関連において、食事の質の向上が効果修飾因子として働く可能性がある。
Association of Korean Healthy Eating Index and Sleep Duration with Obesity in Korean Adults: Based on the 7th Korea National Health and Nutrition Examination Survey 2016–2018
・睡眠時間が7時間未満の女性は、7時間以上の女性に比べて肥満リスクが約1.5倍高く、この関連はKHEIスコアが中央値以下の女性においてのみ確認された。この結果は、食事の質が成人女性の睡眠時間と肥満リスクとの関連を修飾する潜在的な因子であることを示唆している。
・KHEIスコアには男女間で有意差があり、女性は男性よりも食事の質(KHEIスコア)が高かった。また、肥満状態による食事の質の違いは女性で認められた。
また、KHEIスコアは肥満ではない女性よりも肥満女性の方が低かった。
・米国の20〜75歳の成人を対象としたNHANES(National Health and Nutrition Examination Survey)IIIに基づく研究では、HEIスコアの低さが過体重や肥満と強く関連していることが報告されている。また、NHANES IIIのデータを用いた横断研究では、HEI総スコア
およびHEI構成要素スコアは20歳以上の成人における腹部脂肪率と有意に関連していた。
・この研究では、睡眠時間による食事の質(KHEIスコア)の男女間の有意差は観察されなかったが、ある研究では、HEIと睡眠時間の間に有意な関連があることが報告されている。例えば、睡眠時間の短さは、成人のHEIスコアの低さやヒスパニック系/ラテン系成人におけるHEIの低さ、閉経後女性におけるHEIの低さと関連していた。さらに、睡眠時間が短い若い女性はHEIスコアが有意に低いことがわかった。
・睡眠時間と肥満の関連性の正確なメカニズムはまだ解明されていない。しかし上記のように、睡眠時間が短いとレプチンやグレリンなどのホルモン動態に影響を与えたり、食事摂取量を変化させたりすることで肥満リスクが高まる可能性がある。ウィスコンシン睡眠コホート(Wisconsin Sleep Cohort)の参加者を対象に睡眠時間(睡眠ポリグラフを使用)とBMIの関連を調べた研究では、睡眠時間が8時間未満のグループではBMIの増加とともに睡眠時間が短くなり、睡眠時間が短い群ではレプチン値とグレリン値がそれぞれ減少、増加した。
ケベック家族研究(Québec Family Study)では、男女とも「7~8時間睡眠」群の方が「5~6時間睡眠」群よりも脂肪率指標が低かった。
・睡眠介入研究ではホルモンの変化が男女で異なることがわかっており、別々のメカニズムで過食に陥りやすいことが示唆されている。男女ともに同じように睡眠を制限し、一方で食事には自由にアクセスできるようにした研究では、朝の血漿レプチン濃度が有意に上昇し、特に女性で顕著だった。成人における睡眠時間と肥満との関連は男性よりも女性で強いことがわかった。
・睡眠時間とBMIの関連は年齢によっても異なる。睡眠時間とBMIの関連は中年期以降に変化する傾向がある。
以上、肥満解消にはクオリティの高い食事管理が非常に重要な要素となりうることを指摘するデータをまとめてみました。
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