嬉しい知らせは続くもの。
妊娠・出産のための体づくりを目的に当院のパーソナルに通われていた二人の女性から、ほぼ同時にご懐妊のご報告をいただいた。
お二人とも栄養戦略(生殖器系に対する)をしっかり守り、ペースを乱さず定期的にトレーニングされてきた。もちろん、栄養とトレーニングだけがよい結果位結びついたわけでなく、目に見えない努力があったに違いない。
もし現在、妊活や不妊治療などで思うように結果が出ずお悩みの方がいたら当院の栄養戦略(生殖機能の向上性維持を目的)とパーソナルトレーニングを是非試してみていただきたい。
医療施設で行われる治療効果をブーストするための基本的な身体機能の維持・向上、産後の母子の健康のための栄養戦略、体力づくりを提供します。
一見地味なテーマに見えるかもしれないが、それらのちょっとしたことが非常に重要な意味を持ち、結果が大きく変わる可能性がある。
妊活中の方はお気軽にご相談ください。
さて、今回のブログ・・・非常に示唆に富むデータ。
妊活中・妊娠中の方は是非最後までお付き合いください。
いろいろ仮説が膨らむがそれは一旦置いておいて、テーマは日本人が魚から多く摂取しているDHAと新生児の神経発達に関するデータをまとめてみたい。
生後1,000日間は、新生児の成長と発達において最も重要な期間であり、この期間の栄養摂取は最も影響力のある非遺伝的因子と考えられている。発達中の新生児の脳は栄養の影響を非常に受けやすく、妊娠中の母親の十分な栄養状態は子孫の認知および神経学的転帰を最適なものにするために不可欠である。
オメガ3系長鎖多価不飽和脂肪酸(n-3系LCPUFA(α-リノレン酸(ALA)、DHA、EPA))は、神経細胞膜、シナプス、神経伝達物質の形成と機能、および脳機能と発達全般の調節に不可欠であり、初期の神経発達において重要な役割を果たしている。具体的には、DHAはヒトの脳が急速に発達する妊娠中から生後2年の間にヒトの組織に蓄積される。したがって、母親からのn-3LCPUFA胎内摂取が乳児の中枢神経系(CNS)の最適な発達と機能にとって極めて重要と認識されている。
しかし一方で、n-3LCPUFAとCNSに関する研究結果は一致しないものも多い。
n-3LCPUFAと子供の神経発達との関連性に関する既存エビデンスのほとんどは、妊娠中の母親のサプリメント摂取に関するランダム化比較試験(RCT)研究に由来するが、それらのRCTのコクラン・レビューとメタ解析では決定的な結果は示されておらず、妊娠中のn-3LCPUFA補給が神経発達にプラスの影響を与えることを支持する証拠は不十分のままである。
新生児の脳発達の複雑さを考慮すると、どのn-3LCPUFA血清レベルが神経発達と関係しているのか、また妊娠初期を含む妊娠期間のどの段階で関係するのかを理解することは非常に重要である。
リンクの研究は、妊娠中の母親のn-3LCPUFA濃度と乳児の早期神経発達との関連を分析したもの。
348組の母子を対象にドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)血清濃度と、40日後の乳児の神経発達との関連を検討。
母親の血清濃度は、社会人口統計学的データ、臨床データ、栄養学的データ、心理学的データ、産科学的データとともに、妊娠第1期と第3期に評価。
【結果】
調整分析により、妊娠初期のn-3LCPUFAおよびDHA濃度が低いほど乳児の運動発達が良好であることが明らかになった。この結果は、妊娠初期の母親のn-3系LCPUFAの状態が胎児の神経発達に影響を及ぼす潜在的重要性を強調する。
【結論】
地中海地域に住む栄養状態の良い健康な妊婦のコミュニティサンプルにおいて、妊娠初期のn-3 LCPUFAおよびDHAの血清レベルが低いほど、出生後40日目の乳児の神経発達スコアの改善と関連することを示した。
より高レベルの血清濃度が観察された場合、酸化や炎症プロセスを促進することによって悪影響を誘発する可能性があり、有益な効果を否定する可能性がある。
・スペインの地中海沿岸地域に住む健康な女性サンプルにおいて、妊娠第1期から第3期にかけてのn-3LCPUFA、DHA、EPAの母体血清中循環濃度を評価し、これらの濃度が生後40日の乳児の神経発達に与える影響を調査。妊娠第1期中のn-3LCPUFAとDHAの母体レベルの低さは、乳児の運動スコア、特に粗大運動技能に関連していることを示した。一方、EPAと乳児の神経発達スコアには関係がなかった。
研究結果は、母親のn-3 LCPUFA濃度が高ければ乳児の神経発達が改善するという従来の考え方に疑問を投げかけるものであり、パラドックスをもたらすものである。
・マーストリヒト必須脂肪酸コホート(MEFAB)研究は、妊娠各期の血漿リン脂質中のAA、DHA、EPAの母体濃度と、7歳時点での子どもの認知能力および学業成績との関連を具体的に調べた唯一の研究結果で、学校での認知能力との有意な関係は認められず、妊娠初期のDHA濃度と子供の算数能力との間には負の相関がみられ、濃度が高いほどこれらの分野の発達に有害であることが示されている。観察された負の相関は、妊娠中のDHA補充を考慮する際に慎重さを求めると結論づけた。
・この研究で使用したBSID-IIIで評価した運動発達領域は、筋緊張と成熟の指標を評価するものである。手足や胴体の動き、静的なポジショニング、頭頸部のコントロールなど、中枢神経系(CNS)の成熟度と関連したものであり、したがって、この研究結果は妊娠初期のn-3LCPUFAおよびDHA低値群に属する母親から生まれた乳児は、より成熟したCNSを示す可能性があることを示唆している。
・高用量DHA補充は、子供の神経発達に全く影響を及ぼさないか、あるいは悪影響を及ぼすことも観察されていたが、DHA補充がどのような機序で悪影響を及ぼすのか見極めるのが難しいため、これまでのレビューやメタ解析ではあまり言及されてこなかった。
・妊娠第1期では胚のサイズが小さく、低量のn-3LCPUFAは適切な発育のための胎児の要求を十分に満たすが、高用量は酸化や炎症プロセスによる有害な影響を及ぼす可能性がある。胎児の脂肪酸必要量が満たされると、過剰な脂肪酸は様々な代謝経路を経て活性酸素(ROS)の産生につながり、細胞の抗酸化システムと免疫システムを圧倒し、酸化ストレスとして知られる不均衡を引き起こす。酸化ストレスは、脂質過酸化、タンパク質酸化、DNA損傷など引き起こす。
神経発達の文脈では、酸化バランスは神経新生、シナプス形成、神経細胞移動、プルーニングなど、あらゆる細胞や神経細胞のプロセスの基礎となるが、このバランスが崩れると中枢神経系に有害な影響を及ぼし、神経発達障害を引き起こす可能性がある。
なんらかの疾患でお悩みの方で、より具体的な栄養マネジメントをお探しの方は当院の栄養マニュアル販売をご利用ください。
Lineまたはメールによるカウンセリングをもとに、皆様の症状や体質に合わせて摂取カロリー数の計算や、食事デザイン、サプリメントの選択、排除すべき食材などをパッケージでデザインし、ご提案いたします。
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