本日のブログはアスリートにおける新型コロナの急性期および急性期以降の症状についてのデータをまとめてみたい。
職業「アスリート」でなくてもアスリート並みにトレーニングしている人は大勢いるので参考になれば幸いだ。
アスリートにおけるCOVID-19の推定有病率は依然として不明。
いくつかの研究で、ほとんどは無症状か軽症(医療措置を必要としない)であることが分かっている。
一方で、アスリートような低リスクの人も、重症患者同様に持続的な後遺症や合併症を持つ可能性はある。
リンクのデータは、アスリートにおける急性期/急性期以降のCOVID-19の発現を説明することを目的としたレビューとメタアナリシス。
4つのデータベース(MEDLINE、EMBASE、SCOPUS、SPORTDiscus)でCOVID-19,アスリート,症状に関する用語を組み合わせ言語制限なしに検索したもの。
Acute and post-acute COVID-19 presentations in athletes: a systematic review and meta-analysis
・このシステマティックレビューとメタアナリシスにより、COVID-19を発症したアスリートの大半(〜94%)は無症状か、軽度の急性症状を示すことが明らかになった。
・変動する割合(3.8%~17%)で、何らかの持続的な症状(無嗅覚症/味覚障害、咳、疲労、胸痛、頭痛)を示す場合があり、プレー復帰の判断やタイミングに影響を与える可能性があった。
・入手可能な証拠からはCOVID-19と心筋梗塞との因果関係を確認することができなかったことは重要なことである。心筋の関与(心電図、心エコー、および/またはCMRIによって明らかになった心筋の異常、cTn上昇の有無)は利用可能なサンプルの5%で確認されたが、11件の研究のいずれも報告された心血管イベントがCOVID-19感染と関連していることを確認できなかったことから、これはCOVID-19と因果関係がないことが判明した。心臓の異常がCOVID-19に起因することを示す説得力のある証拠を見いだせなかった。
・スポーツ選手の重症例は若年層よりもわずかに少ないが、これは栄養や睡眠の質など他の要因も感染に対する免疫反応に関与している可能性はあるものの、重症COVID-19に対する保護因子として高い身体活動レベルや体力が重要な役割を果たしている可能性を強調している。
・COVID-19に感染したアスリートのうち、アノスミア/味覚障害(30%)、咳(16%)、疲労(9%)、胸痛(8%)、頭痛(6%)などの急性期以降の症状を経験した人の割合が有意であることが懸念される。
・プロスポーツ界では、多くの選手が無症状または軽度の感染後5〜10日でプレー復帰するのが一般的だが、トレーニングや競技の再開時に何らかの症状を有する選手にとっては難しい。
・COVID-19がアスリートの健康やパフォーマンスに与える中長期的(すなわち数週間から数ヶ月)な影響や、その予測因子については、まだ調査されていない。