腰痛発症時は、なるべく慣れ親しんだ住環境化で生活をした方がいいかもしれない。
慢性腰痛患者は腰部の筋肉の協調性が低下し、体幹運動の制御能力が低下しているが、「環境」に応じて体幹や歩行の安定性にさらに変化が生じ、その変化が痛みや恐怖感、QOLに関係しているとする研究。
Changes in Trunk Variability and Stability of Gait in Patients with Chronic Low Back Pain: Impact of Laboratory versus Daily-Living Environments
この研究では、「日常生活環境下」においてのみ歩行の体幹変動が痛みの強さやなにかしらのモーションへの恐怖感と関連していることが明らかになった。
日常生活環境下での歩行時の腰部制御の変化は、実験室環境での変化よりも顕著であることが示唆された。
日常生活におけるパターン化(構造化)されていない環境、すなわち予測不可能な状況が代償的な歩行と体幹の自動的安定性の欠如を促進するのではないかと推測される。
パターン化(構造化)されていない日常生活環境下における歩行は、パターン化(構造化)された臨床環境下での歩行と比較して自由度の高い動作に腰部が適応する必要性が高まる。
脊椎構造的に腰椎は自由度が大きいため、高負荷時や予測不可能な環境下での関節ポジションの制御に問題を抱える可能性がある。そのことが恐怖感や痛みの増悪につながっている可能性がある。
腰痛が寛解するまで自分のテリトリーにいた方が治りが早いかもしれない。