Stride-Phase Kinematic Parameters That Predict Peak Elbow Varus Torque
野球肘予防に関する兵庫大学の最新研究が興味深い。
ポイント
・高校野球投手の 30%程度に投球障害肘が発生する。
・投球動作中における肩最大外旋の直前に肘関節内側に加わる過剰な内反トルクが野球肘(肘関節内側障害)の原因とされてる。
・コッキング相や加速相は瞬間的に経過し、上肢が驚くほどの速さで加速しているため、投手が投げ方を変更することは困難。
兵庫大学が研究をもとに提案する肩最大外旋の直前に肘関節内側に加わる最大の内反トルクを低減する投げ方
- ストライド足接地での手首の伸展増加
- ストライド足接地での前腕の回内増加
- ストライド足接地でのストライド膝(右投手であれば左足側)の屈曲増加
- ストライド足接地での軸足の膝(右投手であれば右足側)の伸展増加
- ストライド相において重心を下げ過ぎない
先日、肩関節痛の治療でお越しになった患者さんは実業団のピッチャーの方だったが、これとほぼ真逆の理論をピッチングコーチに教わったと言っていたのを思い出した。
モーション検査でも臀筋群の弱化によるストライド足の不安定性が顕著だったのもあてはまる。
「良い球」が投げられることと肘関節への負担を減らすことは別問題なのかもしれないが、肘痛で悩む選手の方は頭の片隅にでも。