少し前まで「今年は暖冬かな?」なんて患者さんと話していましたが、いやいやすっかり寒さも厳しくなりました。
本当に地球は温暖化に向かっているのか疑わしく思ってしまうほど。
皆様くれぐれもご自愛のほど。
さて、在宅ワークにスイッチしてから腰痛・坐骨神経痛の治療で来院される患者さんは増加の一途。
最も多いケースは臀筋群や坐骨神経、仙腸関節の靭帯など骨盤領域を構成する組織の退行変性。
運動不足、長時間の座位による組織の圧迫から血流制限→神経伝達機能の低下→組織の硬縮または筋のテンションの低下などなど症状の出方は人それぞれだが、多くの場合組織全体は弱化してしまいテンションを失いぶよぶよと弛緩しているものの変性が亢進しきった組織の一部分が硬縮・癒着している。
臀筋群の弱化はトレーニングで比較的早く回復するが、厄介なのは坐骨神経と脊髄の腰仙部、そこから派生する末梢神経の退行変性。
退行変性によって神経線維の粘弾性が失われてしまいちょっとしたストレッチ刺激にも敏感に反応し痛みが発生するので、起き上がる動作とか前屈とか(実際には神経が少しでも伸ばされる方向なら無限に)脊髄~坐骨神経がストレッチされる状態で痛みが発現する。
その場合手で触れる範囲の硬縮であればカイロプラクティックは非常に有効な治療法だが、脊柱管の中や神経根付近など手ではどうしても触れられない部位は治療は非常に困難。
理想としてはそのような状態になる前に、運動頻度、栄養面など生活習慣の見直しを行うべきだが、日本人特有の「我慢」によって末期的な状態まで放置されてしまうことも多い。
そういった患者さんには当院では早急に「治療としてのトレーニング」をパーソナルで受けてもらい、とにかく組織の代謝を上げて各部位の健常性の維持に努めてもらう。トレーニングには末梢神経の問題による疼痛緩和の効果もあるので一石二鳥。
トレーニング内容は筋肥大系のメニューではなく、各部位の機能改善トレーニングになる。
傾向としては側弯症、肥満、もともと全く運動しない人、アルコール依存気味の人の退行変性のご相談数が多い。
アルコール依存は体内のビタミンBの欠乏なんかも神経症状に関与しているかもしれない。
いずれにせよ、どれかに当てはまる方で在宅に切り替わった方は先々のQOLを考えてすぐにトレーニングを開始すべきだろう。
【お知らせ】
当院は年末年始も休まず診療いたします。
ぎっくり腰、急性痛など救急診療が必要な際は、大晦日・元旦問わずご連絡ください。
お電話がつながらない場合は予約フォームよりお問い合わせください。