マラソンランナーの方が腓腹筋の筋腱移行部付近の痛みを訴えて来院された。選手の方はコンスタントにフルまたはハーフマラソンに参加し、自己記録を塗り替え続ける猛者。
触診ではスポーツ障害特有の筋損傷で見られる鋭い圧痛はなく、ご本人は鈍痛や疲労感のような嫌な痛みが広がっている感覚とのこと。以前シンスプリントで来院された時とは明らかに違う痛みの種類。
踵骨の静止状態の立位で踵骨回内、toe off期の踵骨の運動障害も確認。
治療
股関節アジャストメント
膝関節アジャストメント
距腿関節アジャストメント
踵骨運動障害
脛骨運動障害
腓腹筋・ヒラメ筋リリース
アキレス腱
長母指屈筋リリース
治療直後の感触は非常に良好。
(後日10kmのジョグ(二日間)の後も違和感なし。)
踵骨の運動障害を改善してから選手自身の感覚(痛みのレベルや接地時の感覚、ランニングモーションの感覚)が良くなった。
踵骨の回内および運動障害がある状態で反復的に足部の接地・離地を繰り返すことでアキレス腱から腓腹筋の筋腱移行部、長母指屈筋腱とアキレス腱の交差部位に過剰な負荷がかかりますのでそれも原因だった可能性。
結果的に損傷を受けた筋腱部の損傷はリリーステクニックなどで対応できますが、再発防止や治癒後のパフォーマンスの回復(モーションの感覚など)には各関節運動の正常化が非常に有効だと感じています。