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シリマリン

2019年5月20日 by office-k

古代から現代まで生薬製品による治療の研究が続けられています。その英知の結集の一つと言えるシリマリンを今日はご紹介します。
シリマリンの起源は古代エジプトに遡り、マリアアザミという植物の薬理作用に古代エジプト人が注目したことからはじまったとエジプト博物館に記載が残っています。
当時は樹液や種子を用いて、蛇に噛まれたときや、うつ病、肝臓疾患を治療していたそうです。

シリマリンは
・シリビン
・イソシリビン
・シリジアニン
・シリクリスチン
・イソシリクリスチン
の5種のフラボノリグナンと
・タキシフォリン
というフラボノイドの混合物で、中でもシリビンが最も薬理活性が高い物質です。

シリマリンの特徴は抗酸化、抗線維化、抗炎症、抗ウイルス作用で主に肝臓疾患に有効に働き、
・肝臓毒からレセプターを保護
・グルタチオン酸化を抑制し肝臓内のグルタチオンレベルを高める
・肝細胞の細胞膜の状態を安定させ、肝細胞のタンパク合成を高める
・C型肝炎ウイルスの感染から肝臓を保護する
といった作用が確認されています。
よって、肝硬変や肝細胞がんの治療中の患者さんがセルフケアの一環としてシリマリンを使用するのはうなずける話です。

シリマリンの持つ抗酸化作用は、酸化ストレスによって引き起こされる非アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝のリスクを軽減することが知られています。
アルコールによる肝細胞の酸化ストレスからも保護してくれますので、アルコール性肝障害の治療にも用いられます。


また多くのデータで強調されているのがシリマリンの持つ抗炎症作用で、先日のブログでもご紹介しましたが、神経システムの炎症を抑えることでアルツハイマーの治療に有効性が見出されています。
神経システムの炎症はカイロプラクティックの領域と関連がありますので、個人的に非常に興味深い説です。

さらに、シリマリンはマウスにおける研究では紫外線誘発性の免疫抑制を阻害することが明らかになっています。
長時間太陽光にさらされる環境では皮膚がんのリスクが高くなりますが、リスクの低減という意味でシリマリンの摂取が推奨されます。

ざっとシリマリンの特徴を挙げてみましたがいかがでしょうか?


抗酸化、抗線維化、抗炎症、抗ウイルス という観点から、日常的に摂取することで、様々な疾患の予防に役立つのではと考えます。



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