正月明けの暖機運転も終わって、いつも通りの忙しさがオフィスに戻ってきました。
抱っこ紐の荷重負荷やゴルフスイング時のシャープペイン等、今年も年明けから多くの背部痛のご相談をいただいています。
筋肉・筋膜以外の原因を見落とされている方が多いですよ。
なかなかスッキリ寛解しない症状や再発を繰り返す方は一度当院にご相談ください。
さて今回のメモは、タイトルの通り新生児の神経行動発達についてのデータについて。
出産時、新生児の脳は完全には成熟しておらず、大脳体積は成人の25%に過ぎない。
生後3年間は神経発達にとって非常に重要な時期と考えられ、大脳体積は3歳までに急速に増加して成人の約80%に達する。
小児の神経発達は粗大運動、微細運動、認知能力、言語能力、社会的行動の5つの領域を通して評価され、神経発達の遅れと自閉症、言語障害、発達性運動協調運動障害などの神経発達障害との間には密接な関連があることが多くの研究で報告されている。
複数の研究では、子どもの神経発達は、母親の肥満、母親の免疫活性化、母親の栄養状態、ウイルス感染、早産などに影響を受けることが示唆されている。
したがって、新生児の神経発達における潜在的危険因子を調査することは非常に重要なテーマと考えられている。
リンクの研究は、血糖指標と胎児の神経発達との関連を評価したもの。
妊娠初期〜後期にわたって血糖パターンを評価し、母親のグルコースレベルの変動が子孫の神経発達転帰にどのように影響するかを評価。空腹時血糖とトリグリセリドを組み合わせた統合バイオマーカーであるトリグリセリド・グルコース(TyG)指数を算出し、さまざまな妊娠段階におけるインスリン抵抗性(IR)と神経発達の関係を調査している。
【方法】
妊娠中母体血中空腹時血糖(FPG)とトリグリセリド(TG)値を測定し、インスリン抵抗性を評価するためにTyG指数を算出。高血糖はFPG>5.1mmol/Lと定義。
6~36ヵ月児の神経発達アウトカムは、発達遅延(DD)と発達商(DQ)に焦点を当てた中国児童発達尺度を用いて評価。
母親は健常血糖群(HGG)、妊娠初期高血糖群(EHG)、妊娠後期高血糖群(LHG)、臨月高血糖群(FHG)の4群に分類された。
線形回帰モデルとロジスティック回帰モデルを適用。
【結果】
1888組の母子において、高血糖およびFPGは全DDおよび低DQのリスク上昇と関連していた。
FPG上昇は微細運動および社会的行動におけるDDと関連していた。
HGGと比較して、LHGとFHGは全DDのリスクを有意に増加させたが、EHGは増加させなかった。
男児は特に妊娠初期高血糖に脆弱だった。
【結論】
妊娠中の母親の血糖値は子孫の神経発達に影響し、持続的な高血糖はDDリスクを有意に増加させた。複数の妊娠段階における血糖の影響を評価した最初の研究として、この研究は神経発達転帰を最適化するためには妊娠期間を通じて効果的な血糖管理が重要であることを強調している。
長期的な神経発達転帰を改善するためには、継続的な血糖モニタリングと個々に合わせたケアが必要であることを強調。
・妊娠初期および後期における母親の血糖指標が、新生児の神経発達に有意な影響を及ぼすことを見出した。FPG上昇および高血糖は、全体的なDQ低下およびDD高リスクと関連し、特に微細運動、言語、社会的行動の領域に影響を及ぼしていた。
・インスリン抵抗性を反映するトリグリセリド・グルコース(TyG)指数も、特に妊娠後期においてDQ低下およびDDリスク上昇と相関した。
・高血糖の母親の子孫は、妊娠初期or後期あるいは持続的だろうと、正常血糖値群に比べてDDリスクが高かった。
これらの所見は、新生児の最適な神経発達のためには、複数の妊娠段階において母親の血糖を管理することの重要性を強調している。
・妊娠初期の血糖コントロールの維持は神経発達保護のみならず、GDM女性とその胎児や乳児の潜在性心筋機能障害リスクを減少させるのに役立つ。
・1036組の母子ペアを対象としたある研究では、妊娠24〜28週における母親の持続的FPG値はコミュニケーション領域の遅れと関連することが示された。
・この研究では、妊娠後期FPG値は子供の言語発達と負の相関があった。さらに、妊娠後期高血糖は社会的行動の発達遅延のリスクと関連していた。自閉症は社会的回避と言語障害を特徴とする。妊娠後期に高FPG値の母親の子孫は、その後の自閉症のリスクを軽減するために社会性と言語発達に一層の注意を払う必要がある。
・妊娠後期高血糖は発達遅滞リスク上昇と関連していた。特に持続的高血糖を特徴とする臨月期の高血糖群で最もリスクが高く、複数の領域にわたって発達指数が低かった。
妊娠初期にのみ発症した高血糖はより不良な発達転帰リスクを増加させなかったことから、長期にわたる高血糖曝露が神経発達に累積的影響を及ぼす可能性が強調された。
・過去の研究では神経発達異常における性差が証明されている。コペンハーゲンで行われた研究では、女性子孫は男性子孫に比べて幼少期の言語および認知神経発達スコアが優れており、男性は自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの神経発達障害のリスクが2~4倍高いことがわかっている。これらの知見と一致して、この研究では妊娠初期におけるFPG値の上昇が特に男性子孫におけるDDリスクの上昇と関連していた。
神経発達に対するこのような性特異的影響の基礎となる機序はまだ不明。
・・いかがでしたか?
妊娠前に正常な血糖値を維持できる体づくりをしておく必要がありそうですね。妊娠中の方は主治医の先生に血糖値コントロールについて相談してみてください。
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