睡眠時、特に仰向け姿勢での腰痛のご相談が集中しています。
仰向けでの腰痛は下部腰椎が関連していることが多いのですが、過去の治療数もさることながら当院は下部腰椎に対する独自治療技術を要していることもあり、治療後の寛解レベルは胸を張って良好と言えるレベルです。
お困りの方は是非一度ご相談ください。
さて、今回のブログはタイトルの通り、母親のビタミンD状態と乳児のアトピー性皮膚炎の相関についてのデータを簡単にまとめてみます。
アトピー性皮膚炎(AD)は上皮、免疫、環境因子に関連した慢性炎症性皮膚疾患で、小児人口の最大20%が罹患し、近年有病率は増加傾向にある。
一般にADは乳児期に発症し、しばしば喘息やアレルギー性鼻炎などの他のアレルギー症状に先行する。
ADの発症要因として、表皮バリアの欠損、皮膚微生物叢の崩壊、免疫反応の変化などが挙げられ、表皮バリアと免疫機構の間に密接な相互作用があることを示す証拠が増えている。
ADの一部は、環境因子や遺伝的感受性が免疫系の発達に影響を与えることで皮膚バリア機能を変化させる結果、胎内で発症する。
したがって、母親の栄養状態や早期の環境曝露の役割を理解することは、胎内でのAD予防と乳児のADリスク軽減においてた極めて重要と考えられる。
ビタミンD欠乏症は妊婦に非常に多く観察される。
妊娠中女性のビタミンD状態が乳児のADやその他のアレルギー疾患のリスクと関連することは、数多くの研究で証明されているが、ビタミンDの予防効果に関するエビデンスは一貫していない。
リンクの研究は、妊娠初期のビタミンD濃度とAD発症との相関、および妊娠中のビタミンD補充と生後6ヵ月以内の乳児のAD発症との関連性を調査したもの。
また、生殖補助医療(ART)による妊娠、ビタミンD補充、母乳育児パターン、その他の因子が母親のビタミンDレベルと乳児のADリスクに影響を与えるかどうかも検討している。
中国出産コホートの上海サブコホートに基づいて、単胎妊娠女性と乳児のペア4051組が対象。
【結果】
妊娠初期に25-ヒドロキシビタミンDが不足していた女性では、乳児のADリスクが高かった。
このリスク増加は自然妊娠でみられたが、生殖補助医療(ART)を用いて妊娠した妊娠ではみられなかった。
マルチビタミンとビタミンDサプリメントを摂取している母親の乳児では、サプリメントを摂取していない母親の乳児に比べてAD発症率が減少した。
ビタミンDサプリメントのADに対する予防効果は、ビタミンDを含むマルチビタミンサプリメントのそれよりも大きかった。
受動喫煙曝露や母乳育児パターンによって、母親のビタミンD欠乏のADリスクへの影響は異なっていた。
【結論】
研究結果は、妊娠中のビタミンDのモニタリングと補給の重要性を強調し、妊娠中のビタミンD濃度管理の重要性に対する理論的根拠を提供している。
妊娠初期における母親の血清25(OH)D欠乏は、生後6ヵ月以内の子どものADリスク上昇と関連しているが、妊娠中期から後期にかけてビタミンDまたは複数のビタミンを補充することでこのリスクが減少する。ただし、ARTではなく自然妊娠の場合に限る。
妊娠前のBMI、母乳育児パターン、および妊娠中の受動喫煙への曝露もこの関連に影響を与える。
・母親のビタミンDと乳児ADリスクの関連についての多くの研究で、母親のビタミンD循環レベルおよび胎児臍帯血レベルがADリスクと逆相関するという主張を支持している。
・母親のビタミンD摂取が生後6ヵ月以内の乳児AD発症に対して予防効果を発揮することを確認した。注目すべきは、母親の妊娠初期のビタミンD濃度が不十分であった場合、妊娠中期にビタミンDまたはマルチビタミンを補充することで生後6ヵ月以内の乳児ADリスクも低下する可能性があること。また、妊娠後期におけるビタミンDまたはマルチビタミン補充は生後6ヵ月以内の乳児におけるADリスク低下と関連している。この乳児ADリスク低減効果は、ビタミンD濃度が十分な母親と比較して、ビタミンD濃度が不十分な母親においてより顕著だった。
・ARTで妊娠した女性も対象とした。ARTで妊娠した母親の妊娠初期のビタミンD濃度は、自然妊娠した母親よりも有意に高かった。ARTで妊娠した女性の生後6ヶ月以内の乳児におけるAD発症率は自然妊娠した者よりも高かったが、その差は有意ではなかった。
ARTで妊娠した症例では、母親のビタミンD濃度や妊娠中のビタミンD補充は生後6ヵ月以内のAD発症に予防効果を示さなかったが、自然妊娠例ではそのような保護効果が存在した。
ARTで妊娠した母親と自然妊娠した母親では様々なホルモンレベルが異なることから、母親のビタミンDレベルと乳児ADリスクとの関連性にはばらつきがあるかもしれない。
・妊娠前のBMI、母乳育児のパターン、妊娠中の母親の受動喫煙への曝露など妊娠前および妊娠中の様々な要因も明らかになった。妊娠前の母親の肥満は、妊娠中ビタミンD状態不良を予測する。さらに、妊娠前BMIと妊娠初期の母親のビタミンDレベルには負の相関がある。妊娠前に肥満だった母親において、母親のビタミンD濃度は生後6ヵ月以内の乳児ADを発症リスクには影響しなかったが、低体重または正常体重の母親では母親のビタミンD欠乏が乳児のADリスクを増加させた。この知見は、乳児ADリスクを軽減するためにOWOでない母親の低ビタミンD濃度を妊娠前に特定し、治療することの重要性を示唆している。
・母乳中ビタミンD濃度は、母乳のみで育てられた乳児の出産後6ヵ月以内のAD重症度と逆相関している。この研究では、母親のビタミンD欠乏は母乳のみで育てられた乳児のADリスク増加とは関連せず、母乳のみで育てられていない乳児のリスク因子であることが判明した。
前向きコホート研究の系統的レビューとメタ解析では、母乳育児と粉ミルク育児を比較した研究に限定して分析した場合、母乳育児はADリスクの低下と関連していた。
また、アトピー遺伝を有するコホートにおいて、母乳育児がADに対して予防効果を有するという弱い証拠が報告された。
・母親のビタミンD欠乏は、母親が妊娠中に受動喫煙にさらされていた乳児のADリスク上昇と関連していたが、妊娠中に受動喫煙にさらされていない母親では危険因子ではなかった。妊娠中の受動喫煙は母親のビタミンD欠乏によるAD発症リスクを、乳児の免疫応答やその他の機序を変化させることにで悪化させることが推測される。
・・・いかがでしたか?
ADの遺伝的要因に心当たりがある女性は日常的にビタミンD摂取に気を配ってみてはいかがでしょうか。
ADに限らず、健康的なご出産(母子ともに)のための、より具体的な栄養戦略をお探しの方は当院の栄養マニュアルのご利用を是非ご検討ください。
産後ダイエットにも非常に有益な内容になっています。
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