多発性硬化症(MS)は認知・言語障害などの様々な症状を特徴としている。
MSの有病率は地域によって異なり、一般的にMSは2~4歳の間に発症する。
運動・言語障害は、MS患者の約40~50%に見られる。
現在、症状の改善、疾患の進行・影響の抑制、QOLの向上を目的とした様々な薬剤や治療法が存在するが、MSの治療に用いられる薬剤には副作用があり、発熱や吐き気などの軽度のものから、クッシング症候群などの重篤な副作用がある。
持続的な副作用のために多くのMS患者は、症状をコントロールするための方法を模索している現状がある。
現在まで、MSの音声障害に対する食事の影響を調査した報告はない。
下の論文は、MSの被験者の発声・音声障害に対する通常食(RD)とケトジェニックダイエット(KD)の効果を測定したもの。
Impact of KetogenicDiet Versus Regular Diet on Voice Quality of Patients with MultipleSclerosis
KDは主に脂肪から構成されており、神経疾患に対する非薬理学的干渉として評価されている。過剰な脂肪の摂取は、中枢神経系におけるドーパミン作動プロセスの活性化を阻害する。ケトン体は脳の回復に役立つと考えられている。
内科的治療を望まないMS患者のスピーチや声の症状に対する代替的な介入として評価できるかもしれないと結論。