超加工食品(UPF)の定義は『ほとんどまたは全く全粒食品を含まず、味、食感、外観、および保存期間を向上させるための添加物、保存料、および人工物質を含む工業的調製品』で、UPFは全世界の全世代で消費傾向が増加しており、マーケティング戦略によって子供などの脆弱グループに不均衡な重大な影響を与えている。
現在最も消費されるUPFは、ソフトドリンクおよび甘味飲料、加工パン、朝食用シリアル、菓子製品、既製のソース類、お惣菜、および加工肉で、栄養学的にUPFは精製糖、飽和脂肪、ナトリウムおよび添加物が多く含まれている一方、食物繊維、タンパク質、亜鉛、ビタミン類および抗酸化物質などの必須栄養素が不足し、これらの栄養不足は不良な健康転帰と強く関連している。
またUPFは高エネルギー食品として過剰なカロリー摂取に寄与し、肥満リスクを39%高く、メタボリックシンドロームリスクを79%、糖尿病リスクを最大31%増加する。
またUPFリッチ食は、冠動脈疾患、脳卒中、心血管イベント死亡率および全死亡リスク上昇と関連している。さらに、UPF摂取は乳がんリスク11%高く、大腸がんリスク30%高く、膵臓がんリスクを49%増加する。
UPF摂取の科学的研究が進むにつれて、UPF摂取が認知機能低下、不安やうつ病などの精神疾患、炎症性腸疾患および多発性硬化症と関連することもわかっている。
近年の研究では、精製炭水化物、飽和脂肪酸および加工食品摂取量が多い西洋型食習慣は、骨密度(BMD)の低下および骨粗鬆症リスク増加と関連することを示している。
リンクの研究は、UPFの世界的な消費量増加が骨の健康、骨粗鬆症リスクおよび関節疾患に与える影響を調査したもの。
【結果】
前臨床研究では、UPF摂取が骨構造および骨強度に悪影響を与えることが示された。
小児および成人を対象とした研究では、4件の調査(2013~17年)でファストフードの摂取と骨密度(BMD)との間に関連性は認められなかったが、より最近の大規模横断的研究では、UPF摂取量が多いほどBMDが低下し、骨粗鬆症リスクが増加し、特に閉経後の女性において骨減少症の有病率が高いことがわかった。
UPF摂取は変形性膝関節症リスクと関連し、軟骨の厚さとの相関を示唆するエビデンスがあった。
UKバイオバンクのデータから、UPF摂取者は関節リウマチ(RA)および痛風リスクが高いことが示された。
【結論】
UPF摂取と有害な健康転帰に関するエビデンスの蓄積は、代謝性疾患および心血管疾患だけでなく、骨の健康および慢性関節疾患に対するUPFの有害な影響を強調している。
このレビューは、UPF大量摂取がBMD低下、骨粗鬆症リスク増加およびOAおよび関節炎における臨床転帰の悪化と関連していることを示唆している。
栄養教育および食事介入を優先し、UPFに関連する筋骨格系疾患において増大する負担を軽減するために、栄養豊富な食品の消費を促進する必要がある。
Ultra-Processed Food and Its Impact on Bone Health and Joint Diseases: A Scoping Review
・前臨床研究ではUPF摂取が骨質を悪化させ、BMD低下、骨梁構造の変化および生体力学的特性の障害を引き起こすことが一貫して示された。この結果はUPFへの早期食事曝露が骨格の完全性に長期的な悪影響を及ぼし、骨強度低下および骨折リスク増加に寄与する可能性を示唆している。
・小児および青年におけるUPF摂取量と骨の健康との関連性を調査した結果、UPF摂取量が多いほど腰椎および大腿骨などの主要骨格部位におけるBMDが低いことがわかった。さらに、ファストフードへの曝露が多いほど小児のBMDは低下し、骨の発達における食品アクセスの役割が強調された。
・成人ではUPF摂取量の増加は、BMD低下、特に閉経後女性および高齢者における骨粗鬆症のリスク増加との関連性が認められた。NHANESのデータもUPFによる骨格老化に対する懸念を高めている。これらの知見はUPFの代謝および炎症への悪影響に関するエビデンスと一致しており、骨粗鬆症予防における食事変更の必要性を裏付けている。
・UPFの大量摂取と膝変形性関節症リスク増加との関連性が特定された。UPF摂取は疼痛の悪化、身体機能低下および膝軟骨の菲薄化とも相関していた。
・RA、SpAおよび痛風を含む関節炎に対するUPF摂取の影響を評価した結果、UPF摂取量が多いほどRAリスクが17%増加し、痛風のリスクが16%増加した。SpAに関する知見は結論が出なかった。
・UPFは全身性炎症、酸化ストレス、メタボリックシンドロームおよび肥満と強く関連している。
UPFが体に悪いって理屈は簡単なんですが、UPF中毒の人の傾向としてその方のパーソナリティとしての自虐性・自己の破壊衝動も関連してたりするのでなかなか体のために理屈だけでやめさせるのは難しかったりする。
一方ですんなり理解して止めることができる方もいるので、そういう方向けにこのメモは書いてます。
閉経移行期〜閉経後の方で、医療機関より骨密度改善の指導があった方は当院にご相談ください。
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