先日、ご出産直後の方が腰痛のご相談で訪ねてこられた。
妊娠中の負荷による反り腰で下部腰椎にピンポイント痛と、脇腹(肩甲骨側)あたりにも睡眠時に鈍痛を感じるとのこと。下部腰椎のピンポイント痛は五番のポジション改善で明らかに痛みが減り、脇腹は下部胸椎の問題もあったがそれよりも肋骨のポジションに起因していた。こちらも治療後は問題ないレベルまで改善。
肋骨は過剰前湾の影響受けやすいですね。
産後腰痛、肋骨の痛み、背中の痛みでお悩みの方は当院に一度ご相談ください。
さて今回のブログ、妊活中、妊娠中の方は必読。
ビフィズス菌に関する興味深いデータをまとめてみたい。
宿主の健康に生涯にわたる影響を及ぼす幼少期の腸内細菌叢形成。
健全な腸内細菌叢形成のための重要因子の一つに母乳育児がある。
ヒトの母乳には細菌叢形成プロセスを促進し調節する能力を持つ、いくつかの相互作用性化合物や細胞が含まれており、中でもヒトミルクオリゴ糖(HMO)は母乳栄養児の腸内でビフィズス菌を優勢にすることから特に関連性が高いと考えられている。乳児の糞便から分離されたいくつかのビフィズス菌種および菌株のゲノム解析の結果、ビフィズス菌種はHMOを利用するように遺伝的に適応していることが明らかになっている。
これは宿主と微生物の共進化と自然選択の優れた一例である。
母乳以外にも、周産期の様々な要因が腸内細菌叢の発達に影響を及ぼす可能性がある。
帝王切開はビフィズス菌減少を特徴とする乳児の腸内細菌異常と関連し、経膣分娩児と比較して感染症罹患率が高い。この場合、母乳育児によってビフィズス菌集団を回復させることで、感染率リスクの減少につながる。
ヒト母乳とは対照的に、市販ミルクは生後早期の腸内細菌叢の構成に悪影響を及ぼす可能性があり、これはビフィズス菌種の減少によって特徴づけられる。この観点から、最近はプロバイオティクス、プレバイオティクス、ポストバイオティクスなどの生物活性成分を配合した新しいミルクが開発されている。
ヒト母乳から分離されたビフィズス菌株を含む乳児用粉ミルクが開発されれば乳児の新生児の腸内細菌叢組成に良い影響を与えることは容易に想像がつくだろう。
リンクの研究は、生後3ヵ月の粉ミルク栄養児を対象に、Bifidobacterium breve DSM32583の消化管および呼吸器感染症予防に対する安全性と有効性を試験したもの。
母乳から分離したBifidobacterium breve DSM32583の安全性と抗感染効果を、生後3ヵ月の乳児を対象に評価。
160人の乳児をプロバイオティクス群(PG)と対照群(CG)に無作為に分け、全ての乳児が同じ粉ミルクを摂取したが、PG群ではBifidobacterium breve DSM32583(1×107 cfu/g)を添加。
【結果】
CG群乳児の体重増加はPG群より多かったが、6ヵ月時の年齢Zスコアに対する体重はこの年齢群の正規分布の範囲内であった。
消化管および呼吸器に影響を及ぼす感染症および抗生物質治療の割合は、PG群で有意に低かった。
PG乳児の糞便サンプルでは、ビフィズス菌の集団と短鎖脂肪酸のレベルが高かった。
粉ミルクの摂取に関連した有害事象は観察されなかった。
【結論】
Bifidobacterium breve DSM32583含む乳児用粉ミルクの投与は安全であり、腸の健康に有益な効果をもたらす可能性がある。
・ビフィズス菌は乳幼児期の消化管微生物叢を支配し、生涯にわたる健康上の有益性と関連していることから、ビフィズス菌株を摂取できない乳児にビフィズス菌株を摂取させることは重要なアプローチである。
・この研究では、3ヵ月間の介入試験後、重篤な有害事象が検出されなかった。プロバイオティクスB. breve DSM32538の摂取は安全であることが示された。
・介入後の総体重増加はプロバイオティクス群の方が低かったが、すべての乳児がWHOの基準に従って成長した。Zスコアがこの年齢群の正常体重分布内にあることからも明らかである。
これは、プロバイオティクスの菌株の摂取が、生後数年間の新生児の過体重を抑制するのに有用である可能性を示している。
・B. breve DSM32583を3ヵ月間経口摂取したところ、糞便サンプル中のビフィズス菌およびSCFA濃度が上昇した。過去の研究では、ビフィズス菌を含むプロバイオティクス細菌を早産新生児に投与したところ、Escherichia、Klebsiella、Enterococcusの菌数が減少してビフィズス菌が増加し、壊死性腸炎(NEC)の発生率が減少した。
・SCFA産生増加は、特に胃腸の健康増進に関連すると考えられる。SCFAは結腸細胞の主要エネルギー源となり、水分やミネラルの吸収に関与したりと腸内で重要な役割を果たしている。また
、ムチン合成の増加、免疫調節、病原体からの保護を通じてバリア機能強化に寄与する。
実際に、腸内のSCFA濃度を高めることはプロバイオティクス株が宿主の健康にプラスの効果を発揮する主なメカニズムの一つである。
・この研究では、ビフィズス菌量の増加が消化管感染症およびの有意な減少と関連することが示された。腸内ビフィズス菌は抗菌活性、免疫応答の増強、および/またはタイトジャンクションバリアの完全性に関与するシグナル伝達経路の制御などのメカニズムを通じて腸内病原体に対するバリア効果に関与している。
マウスモデルでは、B. breveの2つの菌株が腸管上皮バリアの維持、炎症性サイトカインの抑制、腸内細菌叢組成の改変によりDSS誘発性大腸炎を緩和したことが報告されている。
B. breve UCC2003株は、腸上皮細胞(IECs)のトランスクリプトームを広範に制御することから、生後間もない時期における腸上皮の正常な発達に極めて重要な役割を果たしている可能性があることも明らかになっている。
・あるシステマティックレビューでは、生後12ヵ月の腸内ビフィズス菌の相対量の低さは、呼吸器感染症を含む小児呼吸器疾患と関連すると結論されている。
細菌叢の健常性維持が宿主の健康にとって非常に重要であることを示す文献は多い。
妊活中、妊娠中の方は是非ご自身の細菌叢ケアと新生児へのビフィズス菌摂取を積極的に行ってみてはいかがだろう?
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産後ダイエット、体質管理にも非常に有益な内容になっています。
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