良かれと思ってやったことが裏目に出てしまう・・・
今回のブログは、シンプルなヒップの動作痛があることによって複雑化してしまったケースをご紹介します。
ゴルフプレー中にお尻の痛みを感じるも、しばらく様子見ということで放置したのち、やはりなかなか改善しないということで当院受診。
主訴は、椅子から立ち上がるときのお尻の動作痛。
初回の治療では、セオリー通り動作痛治療を行って、治療後のペインレベルもほぼなしと良好。
初顔合わせのわりにはまずまずの治療結果だったが、問題はこのあと。
驚いたことに2回目の治療時、臀部の動作痛から主訴が全く変わってしまっていた(どのように変わったかは後ほど)。
心当たりないか患者さんに伺ったところ、患者さんが帰宅後セルフケアとして行ったのがこれ。
股関節から臀部にかけて結構強めに圧迫したとのこと。
主訴の変遷
中臀筋〜腸脛靭帯にかけての痛みまたは痺れ感〜長時間の座位による臀部通〜股関節の詰まり感(ペインレベルや痛みが出る動作に一貫性、再現性ナシ….)。
毎回来院のたびに主訴が変わる。
痛みの表現もピリッとした感じ、痺れる、etc….
2回目以降の治療は、神経、筋、靭帯等、考えうる全ての構造にアプローチし、痛みほぼゼロへ。
この道具や使い方が良いか悪いか判断はできないが、使用したことによる今回ケースのようなご相談が当院に定期的に寄せられることは事実。
過去の事例を鑑みて当院から何かしらの器具を推奨することはないので、やるなら自己責任でという形なのだが、初回の治療がうまくいっていただけに新たな症状を追いかけるのは歯痒い思いだった。
様々な商品や情報が溢れていますが、謳い文句の効果を鵜呑みにする前に、その器具を使用した際に体に起こることをまず想像してみましょう。
リリースされるのは果たして筋膜だけなのか?
圧迫の力は適当なのか?
他の組織に傷はつかないのか?
血流は制限されないのか?
果たして本当に筋膜はリリースされるのか?