骨折体質という言葉が適切なのかどうかわからないが、短期間で全身のあちこちを骨折する方が稀にいらっしゃる。
最近も身近なところで、ちょっと手をついた時に手首を骨折し、翌週は転んで膝をついた時に脚の骨を骨折したという話を聞いた。
なんともついてない話で、ご本人のお気持ちは察するに余りある。
遺伝的に骨が脆くなりやすい人は、加齢と共にこういった事象に巻き込まれるリスクが当然高くなるので、日頃から運動による負荷と栄養補給は忘れずに行った方が良いだろう。
栄養補給の観点からちょっと変わったものを一つご紹介したい。
骨というとコラーゲンやマグネシウムなどが連想されるが、下にご紹介するデータでは魚油にフォーカスしている。
Habitual use of fish oil supplements, genetic predisposition, and risk of fractures: a large population-based study
イギリスの492,713人を対象に行った研究。
8.1年の追跡期間中に骨折歴のなかった参加者に12,070件の骨折が発生した。
魚油サプリメントを習慣的に摂取した場合としなかった場合を比較すると、摂取した場合、全骨折、股関節骨折、椎体骨折のリスクを低下させた。骨折歴のある参加者では、魚油の摂取は全骨折の再発リスクおよび椎体の再発骨折率の低下と関連していたが、股関節骨折の再発とは関連していなかった。
魚油サプリメントの習慣的な使用は摂取は、骨折の発生と再発の両方のリスクを低下させることが示唆された。
ただし、魚油もPUFAであることに変わりはないので魚油頼みになりすぎず、運動による負荷で骨細胞を活性化させ、全身の基礎代謝を上げつつ、他のサプリも併用したほうが成人病予防の観点からは無難だと個人的に思う。