個人的に好きな関節に仙腸関節がある。
よくまぁこれだけ毎日のように腰痛治療でアジャスメントをしていて飽きないものだなと自分でも思うが、骨盤領域の中でも仙腸関節だけはこの道を目指した時から未だに惹かれ続けている。
その理由は、仙腸関節の問題の現れ方が本当に人それぞれ千差万別・十人十色なところ。
仙骨の回旋軸が微妙に違っていたり、寛骨のスリップの程度が違うので、仙腸関節のテンションのかかり方(ここからはわかりやすいようにズレと表現します)のパターンは無数に存在する。一見同じように見えるズレ方をしていても、顔と一緒で人それぞれ個性があって面白い。
その個性を理解して完璧なアジャスメントを行うという面で、美容的な骨盤矯正でもスポーツ障害、ぎっくり腰の治療でも本質的な部分で変わりはない。
最近出会った個性たちのなかで印象的だった例を一つ。
患者さんの主訴は痛みではなく、自覚できるズレ感と可動域制限。
身体を右にひねった状態で前屈すると、右下腹部から股関節にかけてロック感が出てしまうという。左に前屈するときの可動域の半分くらいの可動域で前屈できなくなってしまうという。
で、検査の結果判明したのは、体幹の右回旋+前屈時に本来起こるべく関節運動が腰椎、仙骨、寛骨で起こっていないこと。
上の図のような寛骨と仙骨の運動に加えて腰椎も関節運動が起こらなくなってしまったことによる可動域制限だった。
寛骨、腰椎、仙骨と絶妙に連動しあう構造なので治療では従来通り一つずつ関節を矯正するのではなく、ブログのタイトルにあるようにそれぞれの独立した関節運動を多元的にアジャスト。
うつ伏せで静止状態だとぱっと見綺麗に整列しているように見える仙腸関節でも、一旦体の運動を伴うとこのように機能低下が顕著に表れるケースは多々ある。こういった見方はスポーツ障害の治療の現場で非常に役立ったが、スタイルを気にされて骨盤領域を治療したい方の美容整体でも役立つ。
気になる方は早速、静止状態での骨盤矯正だけでなく、自身の身体のモーションに最適な関節運動を取り戻す矯正を当院に受けに来てみてはどうだろう?
きっと今までと異なる体感が得られるはずだ。