当院における膝関節のご相談件数は肩関節の問題に次いで2番目に多く、スポーツ障害から運動不足による組織の退行変性まで様態は様々。
膝関節症状のうち、最も多いご相談は膝内側の痛み。ついで、階段昇降およびしゃがんだ時の膝の裏の痛み。
軟部組織と関節可動域へのアプローチでかなり改善するケースが多いので、もし手術を勧められて迷っている方がいたらちょっと立ち止まって、一度当院の治療を試してみていただきたい。
さて今回のブログは、婦人科系疾患に対するエピガロカテキンガレートの治療効果に関するデータをまとめてみたい。
子宮筋腫(UF)、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮頸がんと卵巣がん、子宮体がん、膣がん、外陰がん、子宮筋腫(UF)、子宮腺筋症、月経困難症でお悩みの方に参考にしていただければ幸いだ。
長文で専門用語が多くなってしまうが、なるべく簡潔にまとめてみたい。
婦人科系疾患のうち、子宮筋腫(UF)、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は危険性は低いが女性のQOLと妊孕性、 さらに社会経済的に大きな影響を及ぼすが、これらの良性疾患に対しする効果的な治療法は今のところ存在しない。処方薬はしばしば副作用を引き起こし、投薬中止後に疾患が再発する危険性もある。
近年、様々な研究によって子宮内膜症、UF、PCOSなどの婦人科系疾患およびがんの治療や予防において、栄養因子が重要な役割を果たすことが強調されている。
食事から摂取される適切な微量およびマクロ栄養素が、細胞や組織機能を適切に維持し、多くの慢性疾患の予防に関与している。
例えば果物、野菜、その他の植物性食品はポリフェノールの豊富な供給源で、ポリフェノールの中でもフラボノイドが大きな割合を占めている。ほとんどすべてのフラボノイドカテゴリーが、抗酸化作用や抗炎症作用、DNAメチル化エピジェネティック・プロファイルを修飾する能力(可能性)によって抗がん作用を持っている。
また、フラボノイドに加えて、近年では緑茶由来カテキンによる標準治療の支援効果が研究されている。エピガロカテキンガレート(EGCG)は、抗がん作用が期待できる無毒の天然化合物と考えられている。抗酸化作用が最も一般的な機能で、細胞分裂抑制、アポトーシス刺激、エピジェネティック制御への関与にも注目が集まっている。
リンクのレビューは、UF、子宮内膜症、PCOSなどの良性および悪性婦人科系疾患の発症予防におけるEGCG摂取の役割と作用機序に関連するエピジェネティックメカニズムについて考察している。
【レビュー要約】
緑茶に含まれるポリフェノールにはEGCGの他に、カテキン、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンがあり、化学構造が類似していることから細胞に対する作用メカニズムも類似し、特にアポトーシス促進作用、抗増殖作用、抗酸化作用などがあると推測される。
抗酸化作用はフリーラジカルの消去や金属キレート化によって直接的に発揮され、間接的には酸化促進酵素や抗酸化酵素、TNFやNFKBが関与するシグナル伝達経路に影響を及ぼす可能性がある。
炎症性サイトカイン分泌の変化は、最終的に血管新生とがん細胞の増殖過程に影響を及ぼす。
生殖器系疾患は、多くの疾患と同様に様々な炎症状態によって媒介されると言われ、緑茶成分のような抗炎症作用化合物は治療法の選択肢として提案できる。
EGCGや他のカテキンが細胞活性や環境を調節するメカニズムは複雑で、例えば細胞分化や移動経路におけるTGF-βや、ECM形成におけるフィブロネクチンなど疾患進行に関与する膜貫通受容体やタンパク質と相互作用する。
EGCGのアポトーシス促進作用や抗増殖作用は多くの研究で証明されているが、エピジェネティックなメカニズムを認識しているものはごく少数。通常、選択された遺伝子のメチル化レベルや発現レベル、あるいはエピジェネティックなメカニズムに重要な反応を触媒する選択的酵素活性が評価する。EGCGの実際の影響に関する疑問に答えるためには全ての遺伝子のメチル化パターンを比較し、どのような変化が生じるかを正確に示す必要があるが、婦人科系癌におけるEGCGのエピジェネティックな機序を探る研究は比較的少ないため、EGCGが癌のイニシエーション、促進、進行に関与する複数の分子標的に影響を及ぼす他タイプの癌に関する発表結果に頼るしかない。
in vitro研究で観察された遺伝子発現の変化に起因するEGCGのアポトーシス促進作用または抗増殖作用は、DNMTのようなメチル化酵素の作用修飾およびヒストン蛋白質の修飾に関連している可能性が高い。最も強調される修飾は、直接的な酵素阻害、間接的な酵素阻害、あるいはDNMT1の発現と翻訳の減少によって達成されるDNMT1の阻害。
ビタミンDを摂取するとEGCGの細胞に対する有益な効果がさらに高まる。最適レベルのビタミンDは子宮頸部の低悪性度扁平上皮内病変を予防・退縮させ、子宮筋腫のリスクを低下させることが示されている。正確な機序については明確になっていないが、提唱されている作用機序には細胞増殖の抑制、アポトーシスの促進、炎症反応の調節などがある。ビタミンD3はアポトーシスとネクローシスを増加させ、異所性子宮内膜間質細胞の増殖を減少させている。ビタミンDレセプター(VDR)は生殖細胞において転写因子として機能し、多くの転写調節因子と相互作用することから、遺伝子発現を変化させる可能性がある。VDRの作用を説明するもう一つのメカニズムは、遺伝子のメチル化にある。最近の研究では、PCOS患者におけるVDR遺伝子の発現と過剰メチル化の間に逆相関があることが示されている。ビタミンD3投与は卵巣癌細胞においてH3K4me3タンパク質の発現を誘導して抗増殖作用を示し、これはカルシトリオールの腫瘍抑制作用を説明している可能性がある。培養絨毛芽細胞モデルの実験では、カルシトリオール処理後にH3K9acのダウンレギュレーションが見られた。
上記の研究は、天然化合物や食品由来化合物がエピジェネティックなメカニズムで作用することを証明している。緑茶カテキンは許容可能な安全性プロファイルを持つ化合物で、婦人科系疾患を含む多くの疾患に対する食事療法の推奨に含めることができる。
EGCGをベースとした治療を婦人科系疾患状のある女性の治療に取り入れることは長期的な利益をもたらす可能性がある。
婦人科疾患に対する新しい治療法
食事性化合物の役割
・通常治療の補助として食事療法への関心が高まっている。婦人科系疾患の予防とリスク軽減に用いられる治療戦略は主にホルモン治療に限られていることから、婦人科系疾患と食事要因の関係を検討することは、女性に新たな治療の展望をもたらすだろう。
・薬用植物に含まれる成分は、特に子宮筋腫や子宮内膜症の進行を遅らせる新薬候補の供給源となる可能性がある。
・婦人科系の悪性腫瘍における食事因子と発癌との相互作用についてはまだ議論の余地があるが、最近の横断研究では、ビタミンB1の摂取と子宮頸、亜鉛摂取と卵巣がん、カリウム摂取と子宮内膜がんがんの発生との間に負の相関がある可能性が示されている。
一方で、カルシウム摂取量と子宮頸がんおよび子宮内膜がんとの間、ナトリウム摂取量と子宮内膜がんとの間に正の相関が観察されている。
・野菜や果物に含まれるカロテノイドなどの天然抗酸化物質の役割に大きな注目が集まっており、婦人科系がんの経過に有益な効果があることが示されている。中国の研究では、新鮮な野菜と緑茶の摂取が子宮頸がんを予防することがわかったが、果物、卵・牛乳・肉、大豆の摂取ではそのような関連は報告されなかった。欧州の研究では、果物の摂取には子宮頸がん予防効果が認められたが、野菜の摂取には認められなかったのとは対照的である。野菜の子宮内膜がんに対する予防効果のメカニズムは、おそらくエストロゲン代謝の変化、抗酸化機構の誘導、免疫系活性化に基づくものである。
・地中海食に含まれる植物性エストロゲンは内因性エストロゲンと競合し、子宮内膜に対するエストロゲンの作用に拮抗する。動物性食品はCRPなどの炎症性マーカーを誘発し、子宮内膜がんの発生に関連する可能性がある。イタリア女性集団を対象とした研究では、子宮内膜症の発症リスクは野菜や果物の消費量に反比例することが示され、カロテノイド、ポリフェノール、ケルセチンを多く含む食事を摂ることは症状の軽減と関連していた。また、UF患者のQOLの改善も認められている。
・骨盤痛や子宮内膜症の患者にビタミンCとビタミンEを投与したところ、プラセボ群と比較して痛み、月経困難症、性交困難症が軽減したと報告された。さらに、ビタミンを摂取していない患者と比較して、炎症マーカーの有意な低下も認められている。子宮内膜症の臨床症状を緩和する効果は、ビタミンの抗酸化作用の結果であると考えられる。
・ある試験では、ビタミンDの補充は子宮内膜症の女性の骨盤痛を有意に軽減し、UFの増殖抑制と関連していた。
緑茶の活性フェノール化合物としてのエピガロカテキンガレート
・緑茶の健康増進作用は科学的に確認されている。緑茶はカテキンの含有量が多く、緑茶に含まれるカテキンの主成分はエピガロカテキンと没食子酸のエステルであるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)。その他の重要な緑茶ポリフェノールは、エピカテキン-3-ガレート、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン。これらのポリフェノールの主な働きは、高い抗酸化作用に基づくフリーラジカルの消去である。また、カテキンには金属キレート作用もある。
・in vitroおよびin vivoの研究により、茶ポリフェノールの抗がん作用が明らかになっている。茶ポリフェノールが脂質二重層に高い親和性を示すことが、茶ポリフェノールががん細胞に浸透する理由かもしれない。
・DNAメチル化プロファイルを変更する能力から、EGCGのようなフラボノイドはがん予防に有効であると考えられている。細胞株を用いた研究では、残念ながら婦人科系疾患をカバーしていないが、EGCGは主に低メチル化剤として作用してタンパク質に水素結合を作ることによってDNMT酵素を阻害し、その結果、メチル化によってサイレンシングされた遺伝子が再活性化することが示されている。また、分子ドッキング研究の結果から、EGCGはHDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC7、EZH2などの他のエピジェネティック酵素も競合的に阻害する可能性が示唆されている。
EGCGのバイオアベイラビリティ
・単回投与のEGCG薬物動態評価では、1グラムを超えるEGCGの経口投与で1μMを超える血清EGCGが観察された(投与量:1600mg;Cmax=3392ng/mL;範囲:130~3392ng/mL)。1.3~2.2時間後に最大濃度に達する。
EGCGとカフェインレス緑茶抽出物の安全性と動態評価では、EGCGを400mgと800mgの用量で摂取すると、遊離EGCGと総EGCGの両方の血清濃度が高ナノモル範囲になった。800mgを慢性投与した結果、EGCGのバイオアベイラビリティが向上し、胃腸への副作用はわずかだった。
緑茶1袋に含まれるポリフェノールの含有量は約80~100mgで、EGCGに換算すると25~30mgになる。
・EGCGにはヒドロキシル基が存在するため、ヒト体内での生物学的利用率は低い。アルカリ性環境はEGCGの急速な酸化を引き起こし、フェノール基上のプロトンを助長せず、体内のフリーラジカルのような求電子剤に作用するフェノラートアニオンが生成される。体内でのEGCG分解を防ぐために、カプセル化やプロドラッグの形成など様々な送達方法が考案されている。プロEGCGは、in vitroおよびin vivoの子宮内膜がんモデルにおいて血管新生阻害剤として作用することが示されている。さらに、プロEGCGは、in vitroおよびin vivoの乳がんにおいて、従来のEGCG抽出物よりも生物学的利用能が高く、安定的であることもわかっている。
婦人科良性疾患の治療におけるEGCG
子宮筋腫におけるEGCGの作用機序
・緑茶の摂取と子宮筋腫発症の分子経路に関する詳細な研究は不足しているが、in vitro研究の結果や動物モデルのデータから、アポトーシス、増殖、酵素活性への影響など、ECGCの主な作用方向がいくつか示されている。
・EGCG処理したEkerラットおよびヒト平滑筋腫細胞において、増殖抑制作用とアポトーシス誘導作用が示され、ヒト平滑筋腫細胞では、緑茶抽出物はカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)の発現と酵素活性を変化させた。COMTはカテコールエストロゲンの水酸基S-アデノシル-L-メチオニン依存的なメチル抱合を触媒することから、その活性調節はエストロゲン作用に影響を与え、UFの発症に役割を果たす可能性がある。
・平滑筋腫組織では、正常子宮筋層に比べてCOMTレベルが高いことが確認された。COMT過剰活性は、2-ヒドロキシエストラジオール(抗エストロゲン)から2-メトキシエストラジオール(プロエストロゲン)への変換を誘発する。高エストロゲン環境が形成されると細胞増殖が助長され、UFの発生が増加する可能性がある。In vitro研究では、緑茶抽出物がCOMT酵素の発現を低下させる能力が、平滑筋腫細胞の増殖抑制に寄与することが示された。EGCGがCOMTの基質として認識されていることから、COMT酵素の調節が平滑筋腫細胞に対するEGCGの有益な効果をもたらす重要メカニズムである可能性が示唆された。
・EGCGはHuLM細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを誘導するために複数のシグナル伝達経路を介して作用することが観察された。50μM以上の濃度でEGCGで処理した細胞では、PCNA、CDK4、BCL-2の発現が有意に減少し、プロアポトーシスBAXの発現が増加した。この結果は、EGCGがUF治療の一要素と考えられることを示唆している。
・Eker leiomyoma tumor-3(ELT3)細胞培養において、50μM以上のEGCGでPCNAおよびCdk4タンパク質レベルの有意な低下を観察した。さらにin vitroでの結果は、無胸腺ヌードマウスのin vivoモデルでも確認され、PCNAおよびCdk4タンパク質レベルも1.25mg/日のEGCG投与後に有意に減少した。
ビタミンDとEGCGも興味深いデータを示している。
子宮筋腫のEGCG治療
・子宮筋腫患者におけるEGCGの使用のデータが増えつつある。二重盲検プラセボ対照無作為化臨床試験では、800mgの緑茶抽出物(45%EGCG)が、症状のある子宮筋腫女性に対する安全な治療薬であることが認められた。
・子宮筋腫を有する女性に対して、ビタミンDとEGCGの併用サプリメントを4ヵ月間投与した結果、治療群において子宮筋腫の総容積およびUF症状の重症度が有意に減少した。
・ビタミンD欠乏とUF発症には相関関係があることは、多くの研究で確認されている。今回、EGCGとビタミンDの併用効果は、別々に投与するよりも有益であったことは注目に値する。
・UFを発症した16人の女性グループと、少なくとも1つの子宮筋腫を持つ妊娠適齢期の女性41人のグループにEGCG300mg、ビタミンB6 10mg、ビタミンD 50mg/日を3ヵ月間投与した結果、子宮筋腫の体積と月経の長さの有意な減少が観察され、骨盤痛と大量出血もEGCG投与後に減少した。EGCGのUFに対する治療効果は、ビタミンDを同時に投与した方がより有益である可能性がある。
子宮内膜症のEGCG治療
・EGCGの子宮内膜に対する有益な作用は、主に抗血管新生作用、抗線維化作用、抗増殖作用、およびプロアポトーシス作用によってもたらされる。
・マウスモデルの結果から、EGCGは子宮内膜病変の成長を阻害し、E-カドヘリン発現に影響を及ぼす可能性がある。
・EGCGは微細血管サイズおよび密度の低下、血管新生VEGFAのmRNAのダウンレギュレーションとして観察される抗血管新生作用を通じて子宮内膜症の発症を有意に抑制する。また、細胞増殖を抑制し、アポトーシス活性を増加させることにより子宮内膜症病変の発生を抑制し、サイズを縮小させる。
・In vitro研究では、EGCGが子宮内膜細胞におけるE(2)刺激による活性化、増殖、VEGF発現を抑制することが示された。また、子宮内膜症患者における子宮内膜細胞および子宮内膜間質細胞の細胞増殖、遊走、浸潤を有意に抑制した。さらに、子宮内膜細胞および子宮内膜間質細胞におけるTGF-β1刺激によるMAPKおよびSmadシグナル伝達経路の活性の抑制が観察された。
PCOS治療におけるEGCG
・PCOSに罹患している過体重および肥満の女性が緑茶を摂取すると、体重が減少し、空腹時インスリンが減少し、遊離テストステロンのレベルが低下する。また、緑茶抽出物の摂取がBMI、体重、ウエスト周囲径、体脂肪率に有益な効果をもたらすことを確認した研究もある。
・主に体重減少と血糖値に対する効果により、緑茶はPCOS合併症を軽減するための潜在的な治療選択肢である可能性が示唆されている。
子宮頸がんのEGCG治療
・子宮頸癌に対するEGCGの作用は、主に細胞増殖の抑制とアポトーシスの誘導である。
・緑茶抽出物は細胞株やHeLa異種移植マウスにおいて、活性酸素種(ROS)発生を介してTGF-β誘導上皮間葉転換を抑制し、またVEGF、NF-KB、Akt経路を介して増殖を抑制し、アポトーシスを誘導することが報告されている
・EGCGはSmad2およびSmad3のリン酸化およびSmad活性を低下させ、活性酸素種(ROS)レベルを低下させることで子宮頸がん細胞株におけるTGF-βの影響を逆転させ流ことが判明した。
・EGCGはDNMTを低下させてDNA低メチル化を制御し、細胞周期の停止を誘導し、p53の発現を低下させて増殖とアポトーシスを制御した。また、EGCGは低酸素誘導性のHIF-1αを阻害してVEGFを抑制し、血管新生を制御した。アポトーシス誘導とテロメラーゼ阻害は、子宮頸がん細胞の増殖を阻止するEGCGの有益作用として確認されている。
・シスプラチンをベースとした化学療法と放射線療法の併用は、子宮頸癌において一般的に用いられている戦略である。EGCGとシスプラチンの併用療法は相乗的な抗癌活性を示す。EGCGはシスプラチン化学療法の効果を増強し、シスプラチン単独よりもHeLa細胞の増殖を抑制することができた。
・EGCGで処理したHeLa細胞ではDNMTおよびHDACの転写活性が有意に低下することが示された。プロモーター領域のメチル化の変化を通じてHeLa細胞がEGCGに曝露されると、RARβ、カドヘリン1(CDH1)、DAPK1などのがん抑制遺伝子が再活性化した。
・エピジェネティックなメカニズムに関して、EGCGはmiRNA発現を制御することを介して子宮頸がん細胞の増殖を抑制した。EGCGによるHeLa細胞の増殖抑制は、用量および時間依存的だった。
EGCGによる子宮内膜癌の治療
・EGCG処理した子宮内膜がん細胞では、ERK/JNK、Akt、PI3K/ACTOR/HIF1αシグナル伝達経路介して、抗増殖作用、プロアポトーシス作用、抗がん作用が示された。
・血管内皮増殖因子AとHIF-1αをダウンレギュレートすることによって、プロEGCGは子宮内膜癌の異種移植動物モデルにおける腫瘍血管新生の抑制に関与した。
・ホルモン調節に対するEGCGの効果は、子宮内膜腺がん細胞におけるエストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体の発現の減少の観察によって確認された。
卵巣癌のEGCG治療
・EGCGは腫瘍形成と密接に関連する様々な遺伝的シグナル伝達経路の阻害を介して、卵巣癌に対して抗癌効果を発揮する。異種移植モデルと卵巣がん細胞からの結果に基づいて、EGCGによる腫瘍進行の抑制が確認されている。
・EGCGは細胞増殖に関与する核因子κBサブユニット1(NFKB1)、HIF1α、MMP遺伝子に効果的に作用し、DNA損傷応答と酸化ストレスを活性化することで卵巣細胞のアポトーシスを誘導した。さらに、EGCG投与は細胞増殖と浸潤を抑制した。
・卵巣癌における薬剤耐性を克服するEGCGの役割が確認され、特定のシグナル伝達経路との関連が示された。
・EGCGとスルフォラファンの投与は、パクリタキセル耐性卵巣がん細胞において、hTERTとBCL-2遺伝子をダウンレギュレートし、アポトーシスを誘導し、DNA損傷応答を促進した。さらに、二つの化合物の併用はシスプラチン感受性卵巣がん細胞において、アポトーシスを誘導し、細胞をG2/M期に停止させ、p21発現をアップレギュレートすることによってシスプラチン治療の有効性を増強した。
・乳がんin vitroモデルでは、EGCG投与によりEZH2が触媒するヒストンH3のリジン27でのトリメチル化(H3K27me3)が減少し、それに対応してTIMP-3プロモーター領域で観察される転写活性のあるアセチル化ヒストンH3のリジン9/18での沈着(H3K9/18Ac)が増加することが示された。この遺伝子はメタロプロテアーゼ-3の組織インヒビター(TIMP-3)をコードしており、細胞外マトリックスを分解から守る。TIMP-3はアポトーシスの誘導、抗増殖作用、抗血管新生作用、抗転移作用などの抗がん作用を持つ。
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