アスリート志望の少年・少女の来院が年々微増傾向にある。種目で多いのが野球、サッカー、バレーボール、バスケ。たまに剣道やラグビーのケースもある。
症状で多いのは練習中のスポーツ障害・・・は意外と少なくて、本人も何が原因か首をかしげてしまう腰痛が一番多い。
足関節の捻挫や膝関節痛で来院する選手もいますが、腰痛がダントツ。
で、腰痛でも例えば、仙結節靭帯の問題とか股関節の問題とか原因構造がはっきりしているケースと、あそこもここも全部痛い感じがするという原因構造が明確ではないケースがありますが、後者がダントツに多い。
触診する部位全てに痛みを感じるなど・・・全身に炎症物質が蓄積しているかのような印象。
そういったケースの共通点は
・メンテナンスを一切しない
・個々の体の特性に合わないトレーニングをしている
・栄養摂取に対する意識の低さ
・メンテナンスをしない
これはもうアスリート志望でやっていくうえで致命的な問題。アスリート志望の若年層に限らず全世代に言えることだが、予防的にカイロプラクティックなどのメンテナンスを受けるというよりも、痛みが出たから治療するという意識の方が圧倒的に多い。なぜそういった判断にバイアスがかかってしまうのか専門ではないのでわからない。コンディションを崩さないというのは一流を目指すうえで必須の条件だと思うのですが、その前提が崩れてしまう若い選手が非常に多い。
受傷予防以外に定期的にメンテナンスを受けるメリットとしては、治療家視点のアドバイスが受けられることもある(解剖学、関節運動学etc)。
・個々の体の特性に合わないトレーニングをしている
治療前に体の使い方の癖を視診でみます(スポーツ障害等で痛みがひどい場合はやりませんよ)。その後、トレーニング内容などを聞くと、指導者から体の使い方のタイプに合わないトレーニングを受けていたり、使い方の改善指導は一切受けていないケースがあまりにも多い。
指導者が現役のころ、即ち一昔前のトレーニングを子供たちにやらせているケースもある。
加えて、競技の特性に合ったトレーニングが必ず各競技ごとに加えられているかというとそうでもなく、おそらくネット上で検索したであろう、フィジーク選手やボディビル選手が行う筋肥大トレーニングに偏っている傾向も見られたりする。
なんとなく筋肉がついて体が大きくなってくると効果が出ているとももって選手側も筋肥大メニューを甘受するようだが、ちょっと待ってといいたい。不必要に体を大きくしても決してその競技のパフォーマンスが向上するわけではない。加えて、筋肥大トレは各組織に炎症を過剰に生み出すので明らかに、組織の変性を増長する。スポーツ障害のリスクが高まることを考えれば、あまりお勧めはしない。ラグビーやアメフトなどコンタクトスポーツで筋肥大が必要な場合は別ですよ。ただそれでも、計算して身体筋肉を身にまとったほうがいいと思う。
自分が属している競技のパフォーマンスを高めるうえで必要なことは何か、立ち止まって考えたり軌道修正してみることも必要。
必要であれば指導者も変えるべきですね。怪我をして棒に振ってしまったり、青春時代の大切な人生の一瞬を無駄にする前に。
・栄養摂取に対する意識の低さ
いざ治療の段で触診してみると、皮下脂肪の多さやむくみに驚くことがある。驚くほど組織が水っぽく、張りがない。
食事内容を聞くと、コンビニのから揚げやサラダ遅筋など、保存料とPUFAの塊みたいなものを毎日のように食べているという子が多い。
過剰な資質や保存料によって胃腸はもちろん血管や筋組織等体のいたるところで炎症が起こって、たまたま結果的に腰痛として発現している。
身体を大きくするために若いうちはどんどん食べろと、それ自体に反対はありませんが、何をどのくらい摂取するのかは考えたいところ。
そして何を摂取するかの前に重要なテーマは除染とPUFAの除去。これを徹底するだけでも体調、見た目、パフォーマンス、症状、すべてが変わると思います。
コンビニに頼ればご家族の皆さんも楽で負担が減るのは承知ですが、あまりに犠牲にするものが多いと思います。成人病、鬱、腎不全、糖尿病の若年化や人口の増加を目の当たりにすると、しっかり各ご家庭で食育をされたほうがいいとおもう次第です。
アスリート志望の方はちょっと目先を変えれば、今はオールナチュラルの素材にこだわったホエイやmuscleゲイナーなんかも多く出ています。
そういった製品をおやつ代わりの持たせてあげるほうが長期的には経済的な負担も減るでしょう。
トレーニングやメンテナンスに関しては、良い指導者や治療家に巡り合えるかという「ご縁」の部分もあるのですが、栄養に関しては各自コントロールできると思います。質的な栄養失調やPUFAや化学剤の摂取による炎症の誘発による体調不良・・・非常に増えてきています。
・常に障害の予防を優先したメンテナンスを定期的に受ける
・競技の特性に合わせたトレーニングメニューを行う。または特化した指導者を見つける。
・PUFA、除染を意識した栄養摂取。