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卵の摂取とアルツハイマー型認知症

2024年12月16日 by office-k

今回のKメモは、アルツハイマー病(AD)に関する興味深いデータ。
ADは高齢者における認知機能低下の最も一般的な原因で、ADと診断される患者の有病率は年齢とともに指数関数的に増加する。

卵にはコリン、オメガ3脂肪酸、ルテインなど脳の健康に重要な栄養素が多く含まれている。
卵を頻繁に摂取することで、言語テストにおける認知能力が向上する可能性があることを示唆するエビデンスが最近発表されている。
また、卵は神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体で、細胞膜を構成するリン脂質の重要成分であるコリンを最も多く含む食品である。近年食事からのコリン摂取による神経保護作用が、アルツハイマー研究の分野で見直されており、食事性コリンの摂取は、コリン作動性機能の喪失を救うという仮説が立てられている。

リンクのデータは、卵の摂取とアルツハイマー型認知症のリスクとの関連性を調査したもの。
卵の頻繁な摂取がアルツハイマー型認知症および疾患病態のリスク低下と関連し、アルツハイマー型認知症との関連は部分的に食事性コリンを介すると報告している。

Association of Egg Intake With Alzheimer’s Dementia Risk in Older Adults: The Rush Memory and Aging Project

・脳内でのアミロイドβ(Aβ)ペプチドの産生とクリアランスの不均衡がAβ斑、可溶性Aβオリゴマーの蓄積と凝集をもたらし、神経内Aβがシナプスを傷害する。

・Aβの毒性は、微小管関連タンパク質であるタウや、凝集して神経原線維のもつれとして脳に沈着する過リン酸化型の存在に依存的である。この持続的な沈着は最終的にコリン作動性神経変性を引き起こし、結果として認知症を引き起こす。

・卵黄はコリン、オメガ(ω)3脂肪酸、ルテイン、その他認知能力に影響すると考えられている栄養素を豊富に含んでいる。神経伝達物質アセチルコリンの前駆体であり、細胞膜を構成する多くのリン脂質の重要成分であるコリンを最も多く含む。食事性コリンの摂取は、コリン作動性機能低下を改善するという仮説がある。
ω-3脂肪酸には脳や視覚の健康、炎症反応に影響を及ぼす多くの分子・細胞プロセスを調節する可能性があることを示唆する証拠がある。

・卵1個以上/週および卵2個以上/週は、アルツハイマー型認知症のリスク低下と関連していた。

・578人の死亡者の脳剖検のサブグループ解析では、卵1個/週以上および卵2個/週以上の摂取は、脳のアルツハイマー病病変のリスク低下と関連していた。

・媒介分析によると、卵摂取がアルツハイマー型認知症の発症に及ぼす影響全体の39%は、食事性コリンを介するものだった。

卵が苦手な方にはコリン単体でサプリで売ってますが、卵として他の栄養素も混じった全体として摂取するから良いのでは?という仮説データも以前読んだ記憶がある。
どうしてもという方はサプリでいいと思います。
アルツハイマーの家族歴がある方は、週に2個以上の卵摂取を心がけてみてもいいかもしれません。



Filed Under: health, nutrition Tagged With: アルツハイマー型認知症

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