コロナ禍の自粛明け後にご相談件数が増えたケースに、各医療機関での精密検査では全く異常は発見されなかった原因不明の身体各所の痛みがある。
痛みの出る部位は様々で、胸部痛や胃の周辺からわき腹にかけて、背部痛、お尻の痛みなど。
こういったケースの患者さんの共通点として、「退行変性」が挙げられる。
運動不足により代謝環境が劣悪になり、組織が劣化して萎縮していくようなイメージ。
患部付近の組織が以上に萎縮している方もいるし、全身的に組織が劣化して患部だけでなく急激に猫背になったり、複数の部位に痛みを抱えている方もいる。
萎縮そのものの痛みもあると思うが、個人的には末梢神経の問題の比率が大きいのではと思う。
萎縮するのはなにも筋肉だけではない。
神経線維にも退行変性による萎縮、硬縮(粘弾性の欠如)は起こる。
この末梢神経の変性過程や、変性後の他組織との癒着、または他組織が最初に萎縮したことによる末梢神経の圧迫によって痛みが発生している可能性が高い。
なので当院ではこういったケースでは萎縮した筋や関節可動域の治療よりも、末梢神経の治療に重点を置く。
もちろん末梢神経の問題と同時に関節の不安定性を同時に併発している方も多いので、重点というと語弊があるかもしれない。
治療内容の比率はケースバイケースで変幻自在。
例えば、腹痛やわき腹の痛みのケースでは肋間神経の末梢部の治療を行うと同時に肋骨が形成する関節、胸郭全体の可動域の修正を行った。
治療後は好感触・・・・の場合が多いが、問題はそもそも運動不足による退行変性なので治療としてのトレーニングを患者さんに取り入れてもらわなければ再発の可能性が高い。
トレーニングの有効性をあれこれ説いても、退行変性の患者さんは運動だけは頑なにしない方が多い・・・というかほぼ全員。
その個体の本能的なものなのかもしれないと思い、最近は割り切るようにしている。
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テレワーク全盛となり成人病とアルコール依存に加えて、この手の筋骨格系の症状も激増すると予想。
また、痛み止めの乱用で薬が徐々に効きづらくなるケースも増えるだろう。
当オフィスでは治療とトレーニングが両方行えます。
上記のような症状や、また運動不足の自覚があり体調不良の予感がしている方は一度ご相談ください。
治療とトレーニングの同時並行による身体機能の向上を体感していただけると思います。