アスコルビン酸(ビタミンC)の摂取とコツ密度の相関を検討した研究。
アスコルビン酸(AA)摂取量と骨密度(BMD)の相関関係について15の研究が発表されており、そのうち8つの研究では更年期女性(合計9664人)のAA摂取量とBMDの相関関係が示された。
ビタミンの摂取量が多い女性において、ホルモン療法によるBMDへの影響が大きいことから、総AA摂取量とホルモン療法との間には有意な相互作用が認められた。閉経前の女性においても同様のデータが確認された。
Evidence of a Positive Link between Consumption and Supplementation of Ascorbic Acid and Bone Mineral Density
・ビタミンCであるアスコルビン酸(AA)は、コラーゲンや神経伝達物質、L-カルニチンなどの生合成に関与する水溶性のビタミンである。さらに、AAは免疫機能システムや鉄分の吸収にも重要な働きをしている。
・AAを補給することによる抗酸化作用は、がんや心血管疾患の予防に明確な効果があることがわかっている。
・AAは、血漿中の濃度が11 µmol/L以下になると生化学的症状や臨床症状が現れ欠乏していると考えられる。成人に対するAAの推奨摂取量は,男性で90 mg/日、女性で75 mg/日、小児では年齢に応じて15~65 mg/日とされている 。妊娠中、授乳中、喫煙者には、より多くの量を摂取することが推奨されている 。
・AAの血漿中濃度について60歳以上の閉経後女性150人を対象に行った研究において、AAを含む抗酸化物質の血漿中濃度が、Tスコア≦-3.5の骨粗鬆症患者(症例、n=75)では、健常対照者(Tスコア≧-1、n=75)に比べて有意に低いことが確認された。
・股関節骨折やその他の脆弱性骨折とAAの血清濃度との関係を調査した研究では、大腿骨頸部または転子間部の骨折のために入院した70歳以上の患者20人のグループのAA濃度を測定し、年齢、性別、発見時期を一致させた健康な対照群と比較したところ、前者は後者に比べて有意に低い値を示した。
AAの血清濃度の低下は、高齢者の股関節骨折患者に特徴的な栄養不足の一部である可能性がある。
・45〜64歳の閉経後女性775名を対象とした分析では、AAの食事摂取量が100mg増加するごとに、大腿骨BMDが0.017g/cm2増加することが示された。さらに、食事からのカルシウム摂取量(500mg/日以上または以下)に基づいて比較すると、大腿骨および腰椎のBMDとAA摂取量との関連は、カルシウム摂取量が500mg/日以上の女性においてのみ有意であった。
・カルシウムおよびビタミンEの摂取量が少ない男性において、AAの総摂取量が多い場合、4年間の観察期間中の大腿骨骨密度の減少が少ないことが示された。しかし、女性参加者では関連性が見られなかった。
・エストロゲンとAAの併用摂取は有意に高いBMD値と関連しており、カルシウム、エストロゲン、AAを併用摂取している女性は、大腿骨頚部、股関節全体、超遠位橈骨、腰椎で最も高いBMD値を示した。
・閉経後の女性994名(50~98歳、平均72歳)を対象に、AAサプリメントを定期的に摂取している277名を選び、1日の摂取量を100~5000mg(AAの平均摂取量は745mg)とし、平均12.4年間摂取してもらった。年齢、BMI、総カルシウム摂取量でデータを調整した結果、橈骨軸、大腿骨頸部、股関節全体のBMD値は、サプリメントを摂取している女性の方が約3%高いことがわかった。
・533人の閉経後の非喫煙女性のうち、抗酸化サプリメント(AAおよび/またはビタミンE)の使用期間は骨回転の生化学的マーカーであるテロペプチドC(CTx)の血清レベルと負の相関があることが22名で観察され、抗酸化ビタミン(CおよびE)の補給がいかに骨吸収を抑制するかを示唆している。
ビタミンC摂取のコツはサプリや食事単体ではなく、フルーツとサプリを同時に摂取することによって吸収率と利用率が高くなる。
飲み過ぎるとお腹が緩くなるので適量(個人差あり)を自分で探してみると良い。量を調節すればすぐに軟便は治る。
一度お腹が緩くなると摂取をやめてしまう人もいるが、中長期的な諸々の利益を考えると足元の軟便は些細なことだろう。