乳がん治療中のうつ病が深刻な問題となっている。
複数の研究では、砂糖摂取がストレス誘発性うつ病を軽減するための対処戦略として使われているが、一方で砂糖の過剰摂取は腸内細菌叢異常、酸化ストレス、炎症、インスリン抵抗性、およびうつ病リスクを高めることが報告されている。
多くの乳がん女性は再発リスクを減らすために食生活を変更することがわかっている。しかし、ストレスは視床下部-下垂体-副腎軸を活性化して甘いものへの欲求を高めることから、 乳がん化学療法のストレスは菓子、果物、フルーツジュースといった甘いものへの欲求を高める可能性があることが一部の研究で示唆されている。
最近の研究では、早期の乳がんまたは婦人科系がん女性の約53%が診断後に砂糖摂取量を減らし、砂糖摂取量の減少は感情機能の改善と疲労の軽減に関連していることがわかっている。
別の研究では、結腸直腸がん生存者の治療後最大24ヶ月間で、砂糖を多く含む食品や飲料の摂取量が多いほどすべての機能面で健康関連の生活の質(QoL)が低く、疲労が大きいことと関連することがわかっている。これらの関連性は砂糖の炎症誘発効果に起因する可能性があり、慢性炎症はうつ病、不安、疲労の既知の原因となる。
しかし、乳がん治療中に特化した砂糖摂取、うつ病、QoLの関係を研究した研究は限られている。
リンクの研究は、治療中の乳がん女性における砂糖摂取と抑うつの関係において、生活の質、マインドフルネス、味わいがどんな役割を果たすか調査したもの。
【結果】
台湾の医療センターで乳がん診断後6ヶ月以内の女性78人を集めて、患者自己報告の健康調査と食事記録を取った結果、砂糖摂取と乳房症状が抑うつ症状と有意な関連があった。
単純媒介分析では、生活の質が砂糖摂取と抑うつの関係を完全に媒介し、乳房の症状は部分的に媒介した。調整媒介分析では、味わいが生活の質と抑うつの間の経路を調整し、マインドフルネスが生活の質を介した砂糖摂取の抑うつへの間接効果を著しく弱めた。
【結論】
この研究は、治療中の乳がん患者における砂糖摂取、QoL(生活の質)、うつ病の間に有意な相関があることを示している。具体的には、高砂糖摂取がQoLに悪影響を及ぼし、うつ病症状の一因となる可能性がある。
一方で、マインドフルネスと味わいはこれらの悪影響を緩和する可能性があることが示唆された。これは、これらの心理的介入が感情的な回復力を高める上で役立つことを意味している。
・砂糖摂取量が多いほどうつ病リスクが高まるというこの研究の発見は、過去の複数の研究と一致している。ある研究では、加糖飲料の摂取量が多いほど結腸直腸がん生存者のQoL機能が低下し、疲労が増加することがわかっている。この研究では、一般的なQoLが砂糖摂取とうつ病の関係を完全に媒介し、乳がん特有の症状が部分的に媒介していることが明らかになった。がん治療中は適切なカロリー摂取が推奨されている(American Cancer Society、2024年)、我々の発見は、高糖質摂取がQoLに悪影響を与え、乳がん女性のうつ病リスクをさらに高める可能性を示唆している。
・マインドフルネスの非判断的側面が砂糖摂取とうつ病の関係において媒介調整の役割を果たし、味の余韻は乳がん症状が関係を媒介した場合にのみ調整因子として機能することが判明した。非判断的マインドフルネスは自己批判的思考を減らし、ネガティブな思考サイクルを中断し、感情的な回復力を育むことで、精神的苦痛を強く軽減する。味の余韻が低い場合のみ、砂糖摂取のうつ病への間接効果を著しく増幅させ、調整媒介パターンを示唆している点は注目に値する。
・・・誰しも簡単にできる砂糖摂取量を減らすことでQoLを改善し、抑うつ症状を軽減することができる。がん治療中の方は栄養戦略に取り入れてみてはいかがでしょうか?
他の栄養素との組み合わせやサプリメント選択など、乳がん治療中における具体的な栄養戦略をお探しの方は、当院の栄養マニュアルのご利用を是非ご検討ください。
またマインドフルネスの具体的な方法についてもご相談を承ります。
悟りがどうとかなんとかかんとか難しいことは考える必要はありません。やり方は非常に簡単。
ミャンマーでの瞑想やリトリートで培ったマインドフルネス法を皆さまにお伝えします。
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