「何が原因か心当たりがない」という方で多い症状の一つが、何かに手をついた際の手首の痛み。毎回手をつくたびに痛いわけではないけど、ふとした時に鋭い痛みが走るとか・・原因も症状も判然としないケース。
ホルモン異常による腱障害でない限り、カイロプラクティックの手技で意外とあっさり治ります。上記のような症状でお困りの方は一度当院にご相談ください。
さて、今回のブログはPCOSに関連するデータです。
OCOSに関しては過去にもいくつかデータをまとめましたが、今回はコーヒー摂取の興味深い好影響についてです。
ぜひ最後までお付き合いください。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は内分泌機能異常、すなわちゴナドトロピンホルモン合成の障害で、排卵障害、インスリン抵抗性、過剰な体脂肪蓄積を引き起こす。
PCOSは高インスリン血症や2型糖尿病、肥満、心血管疾患、腸内細菌叢異常症の危険因子であり、QOLの低下、うつ病、不安障害、摂食障害、産後うつなど精神衛生上の問題とも関連する。
世界的なPCOS有病率は妊娠適齢期女性の15%が罹患しているとされ、欧米集団では増加傾向にある。
PCOSの病因には、遺伝的因子、エピジェネティック因子、食事やライフスタイルなどの環境因子が含まれる。
あるレビューでは、PCOS女性はPCOSでない女性と比較して全体的な食事の質が低く、食事摂取量が少ないため、コレステロールが高く、マグネシウムと亜鉛レベルが低いことが指摘されている。実際に、食事と運動を組み合わせた生活習慣への介入はPCOSの徴候や症状改善のための第一選択肢である。
栄養面で頻繁に用いられる介入は低炭水化物食である。PCOS女性におけるアンドロゲン過剰の誘発において、インスリン受容体と代償性高インスリン血症が最も重要であることを考えると、グルコース、インスリン、IGF-1およびインスリン様成長因子結合タンパク質1(IGFBP1)レベルを低下させる低炭水化物食は、アンドロゲン過剰症の関連症状を改善する可能性がある。
特定の食事や食品がPCOSの保護因子かどうかについての文献はほとんどないが、コーヒーは複数の経路を通じてPCOSの症状を軽減する可能性がある。
コーヒーはポリフェノールを最も多く含む食品の一つで、ポリフェノールはインスリン感受性を改善し、インスリン分泌過多を抑制する効果がある。PCOSにおけるインスリン抵抗性を決定する複数の分子機序が報告されているが、そのうちの経路の1つにホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)の制御がある。PCOS女性ではPI3K経路の発現低下がインスリン感受性の低下とβ細胞機能の低下につながる。
コーヒーの摂取はグルコーストランスポーターGLUT4の移動を阻害してPI3K経路に影響を与え、その結果グルコース取り込みが減少し、インスリン感受性が高まることがわかっている。
さらに、コーヒーの抗酸化作用は治療薬としても利用できる。
PCOSの女性はそうでない女性に比べて活性酸素種(ROS)を多く産生し、TNF-α合成によって媒介される低グレード炎症と関連している。
複数の研究で、コーヒーはこれらの炎症反応を抑制する能力があることが示されている。
また、コーヒーの摂取がPCOS関連ホルモンの調節に影響することを示唆する研究もある。
上記のように、コーヒー摂取とPCOSの関係に焦点を当てた研究は複数あるが、その数はまだまだ少ない。
リンクの研究は、PCOSと診断された女性とPCOSでない女性(対照群)の間でコーヒー摂取量に差があるかどうかを評価したもの。
スペインのPCOS患者121人と対照者155人を対象にした症例対照研究。
【結果】
コーヒー摂取量が多いほどPCOS確率が低いという有意な逆相関が認められた。
少なくとも1日1杯のコーヒー摂取はPCOS症状の減少と関連している可能性がある。
【結論】
生物活性化合物が豊富なコーヒーは、抗炎症作用、インスリン感受性の改善、ホルモン調節に関与する可能性があり、PCOSとの関連性の背後にあるメカニズムとして代謝異常の改善の可能性が挙げられる。
・コーヒー摂取とPCOSの有無との間に逆相関があることを見出した。この傾向は、無排卵性表現型を有するサブグループにおいても同様だった。
・過去の研究でも、コーヒー摂取量が増えるほどPCOSのリスクが低くなることが報告されている。1日に約2杯のコーヒーを摂取する被験者は、コーヒーを全く飲まない被験者に比べ、PCOSに罹患する可能性が70%低かった。
・複数の研究で、カフェインとテストステロンなど特定の性ホルモンの代謝との間に関係があるかどうかが調査され、無作為化比較試験において4週間のコーヒー摂取が、コーヒーを摂取しない対照群と比較して過体重女性の総テストステロン値を低下させることが見出された。
・PCOSの女性はしばしば高インスリン血症を示す。これは、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)阻害を誘発する可能性がある。高インスリン血症とインスリン抵抗性はLH/FSH比を低下させるPCOS発症の2大要因である。
・インスリン過剰分泌は性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の産生低下と関連し、その結果、遊離テストステロンなどの血中アンドロゲンの生物学的利用能が上昇する。これは、T2DMなどの代謝障害とともにPCOS発症の危険因子となる可能性がある。
・代謝変化は無排卵性表現型とより関連している。この研究では、無排卵性表現型において統計的に有意な強い相関が見出されている。SHBGが増加すると循環テストステロンが減少し、PCOS症状が改善する。マウスを用いた臨床試験では、カフェインがアディポネクチンの産生を促進し、その後SHBG発現をアップレギュレートする可能性が示唆された。このことは、カフェイン摂取によって総テストステロンのレベルが上昇しても、テストステロンのほとんどがSHBGと結合して不活化される可能性があることを説明している。
・喫煙など他の要因も、コーヒーの代謝やアロマターゼ酵素への作用を変化させる可能性がある。タバコは芳香族炭化水素の誘導によってコーヒーの代謝を加速させ、コーヒーの効果に影響を与える可能性がある。一方で、コーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取はエストロゲン依存性がんの発症に影響があるが、コーヒーは2経路のエストロゲン代謝物の活性が高く、4経路や16経路のエストロゲン代謝物に比べて遺伝毒性が低く、エストロゲン活性も弱い。また、抗酸化作用、解毒作用、修復作用に関与するタンパク質を調節する能力もある。
・統計学的に有意な相関は認められていないが、アルコールの多量摂取がPCOSを発症させることが指摘されている。PCOS罹患女性は非アルコール性脂肪性肝疾患に罹患していることが多いため、過度のアルコール摂取はPCOSの症状を悪化させる可能性がある。にもかかわらず、1日1杯以上のコーヒー摂取者ではPCOSが有意に少なく、すべてのレベルのコーヒー摂取においてリスク減少が認められた。
・カフェイン以外のいくつかの成分が遊離テストステロンと総テストステロン減少効果に関与している可能性がある。コーヒーには、ポリフェノールなどの生物活性化合物が多数含まれている。ポリフェノールは抗酸化・抗炎症作用を示すことから、PCOS治療に有利に働く。
また、ポリフェノールは高血糖を抑制し、急性インスリン分泌とインスリン感受性を高めることからPCOSの症状を改善し、糖尿病を効果的に管理する治療薬として利用されている。
当オフィスには、婦人科系疾患に対する栄養学的データもかなり蓄積されています。
婦人科での治療に加え、微に入り細にわたった栄養戦略をお探しの方は、当院の栄養マニュアルのご利用を是非ご検討ください。
個別の疾患への対処に加え、全体としての体質管理にも非常に有益な内容になっています。
Lineまたはメールによるカウンセリングに基づき、皆様の症状や体質に合わせて摂取カロリー数の計算や、食事デザイン、サプリメントの選択、排除すべき食材などを最新データを元にパッケージでデザインし、ご提案いたします。
お気軽にお問い合わせください(お電話、LINE、インスタグラムのメッセージまたは連絡先、GOOGLEビジネスページのチャットをご利用いただけます)