ベンチプレスが大好きで、毎日のようにベンチで追い込んでいるハードコアプレッサーが来院された。症状は肩痛。
メインの原因構造は烏口上腕靭帯だったが、二頭筋腱も相当痛んでいたようだ。
治療後の痛みはかなり改善。
肩痛で上記の構造に心当たりがあるかたは一度当院にご相談ください。
烏口上腕靭帯や二頭筋腱のオリジナルリリース法(強力にリリースされますよ)をご用意してお待ちしてます。
さて、今回のブログはドライアイ症候群について書いてみたい。
結構お悩みの方が多い印象。
ドライアイ症候群(DES)は涙液膜の障害と眼表面の損傷が特徴で、涙液膜の不安定性、炎症、上皮傷害、年齢、性別、ホルモン変動、環境条件、自己免疫疾患、眼表面傷害などの様々な外的要因によって生じる。
韓国の調査によると、過去10年間にDES患者が31.7%増加して以降、毎年増加傾向にある。特に注目すべきは、40代と50代の罹患率が高く34.7%を占め、有病率、重症度ともに男性に比べて女性のほうが顕著に高い。
近年、食事とDESの関係が注目されつつあり、日常的な栄養素摂取量とDESの具体的な関係について調査が進んでいる。
リンクの研究は、40歳以上の韓国人女性におけるドライアイ症候群の有病率を評価し、ドライアイ症候群と1日の食事からの栄養素摂取量との相関を調べることを目的としたもの。
女性参加者92,888人のデータを分析。
【結果】
ドライアイ症候群の有病率は7.7%だった。
食物繊維、タンパク質、オメガ3脂肪酸、水分、カルシウム、リン酸塩、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの摂取量はドライアイ症候群の有病率と逆相関していた。
一方で、炭水化物、糖質、脂質、コレステロール、ナトリウム、鉄、亜鉛の摂取量が多いほどリスクは高かった。
ドライアイ症候群の有病率とオメガ6脂肪酸およびビタミンD摂取量との間に有意な相関は認められなかった。
【結論】
特定の食事栄養素がドライアイ症候群のリスク低下または上昇に関係していることがわかった。
この結果はドライアイ症候群の管理および予防において、年齢、ライフスタイル、環境的影響、全身疾患、そして食生活を含む包括的な要因を考慮することの重要性をと、ドライアイ症候群の管理戦略としての食事療法の可能性を強調している。
・40歳以上の韓国人女性におけるドライアイ症候群(DES)の有病率と、日常的な食事栄養素との関連性について検討した。閉経、関節リウマチ、骨粗鬆症、糖尿病、甲状腺疾患などの加齢関連要因や病状がDESの重大な危険因子であることを発見した。
・加齢に伴うDESリスク増加は、涙の組成や産生に影響する生理的変化に起因する。
特に40歳以上の女性では、閉経後に眼球の潤滑に重要な役割を果たすエストロゲンの減少がDESを引き起こす可能性がある。
・抗ヒスタミン剤、充血除去剤、抗うつ剤などの特定の薬剤の使用はDES症状を悪化させることが知られている。
・コンタクトレンズの長期使用、角膜屈折矯正手術、人工的気温湿度や長時間のスクリーン使用に特徴づけられる職場環境などの外的要因は涙液膜の安定性に影響を与え、DES症状を悪化させる。
・DESの効果的な治療には各個人の症状の原因となっている全身的、ホルモン的、環境的、生活習慣的要因のユニークな組み合わせに対処する包括的なアプローチが必要である。
・この研究では、食物繊維、タンパク質、オメガ3脂肪酸、水分、ビタミンA、C、Eを含む特定の栄養素がDESリスク低下と関連していることを明らかになった。
・オメガ3脂肪酸は角膜の健康に有益な抗炎症作用を持つ。DESに罹患している女性は、罹患していない女性と比較してオメガ3脂肪酸の血中濃度が低いことが研究で示されており、オメガ3脂肪酸摂取量の増加が女性におけるDES発症の減少に相関するという考え方が支持されている。オメガ3系脂肪酸は食事から摂取することも可能であるが、経口サプリメントで摂取することが最適である。
・ビタミンAは眼表面上皮にとって重要であり、その欠乏はDESと関連している。DESの若年成人男性において、ビタミンAの短期間の経口補充は涙の質を改善したが、量は改善しなかった。
・ビタミンEとビタミンCはともに強力な抗酸化物質であり、眼球を保護する役割を果たす。ビタミンEは脂肪酸の酸化を防ぎ、ビタミンCはビタミンEを含む他の抗酸化物質の再生を助けてフリーラジカルによる損傷から眼球内の血管と結合組織の完全性をサポートする。さらに、ビタミンEはルテインの抗酸化力を高め、網膜を保護することが示されている。ビタミンCとビタミンEの抗酸化作用は、涙の安定性、量、自覚的臨床症状の改善によって証明されるように、眼表面の健常性増加に及ぶ可能性がある。
・オメガ3脂肪酸やビタミンA、C、Eなどの栄養素は涙液の安定性に寄与し、炎症や酸化ストレスから保護する。例えば、オメガ3脂肪酸は脂質層と一体化することでその完全性を高め、涙の早期蒸発を抑制する。ビタミンAはムチンの生成に重要な役割を果たし、涙液膜にゲル状の粘りを与える。ビタミンCとビタミンEは抗酸化物質として、フリーラジカルによる酸化ダメージから涙液を守る。したがって、これらの栄養素の抗炎症作用と抗酸化作用は炎症を和らげ、眼球組織を酸化的損傷から守ることによってDESの症状改善する可能性がある。
・炭水化物、糖分、脂肪、コレステロール、鉄分、亜鉛の摂取量が多いとDES有病率が高くなることが観察された。特に、コレステロールの高値はマイボミア腺の機能障害を引き起こし、涙液膜の脂質層を変化させる可能性があり、脂肪分の多い食事は涙腺の分泌機能を阻害する可能性がある。さらに、過剰なナトリウム濃度は脱水を誘発してDES発現を助長する可能性がある。
・他の研究では、DES患者は血清ビタミンD濃度が有意に低く、ビタミンDを補充することでDESを改善できることが報告されている。DES有病率の低下に関して、ビタミンDの経口補充が有益であることは、臨床的・実験的エビデンスで頻繁に認められている。
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