春の訪れとともにランナーの姿が増えた。
私は走るのが苦手なので、軽快に走る方の姿を見るさぞ気持ちいいだろうなぁと羨ましくなってしまう。
さて、今回のnoteはランナーの溶血性貧血についてまとめてみたい。
コーチやアスレチックトレーナー、治療家を目指す人は頭に入れておかなければならない症状の一つだろう。
ランナーにおける溶血性貧血は運動誘発性溶血とも呼ばれ、ランニングの際の反復的なフットストライク、すなわち地面との反復的な接触によって足の毛細血管内の赤血球が破壊されることで起こる。
また、スポーツ選手の運動誘発性溶血の発症機序については、大きな筋肉の収縮を繰り返すことで赤血球が破壊され、貧血を起こすという説もある。
また、運動に伴う血漿量増加により二次的に血液希釈性貧血を発症することもある。
ランナーは、水泳選手や自転車選手に比べ溶血量が多い。
これはフットストライク溶血が主因で、運動中や運動後の血清検査で診断できる。
検査では、溶血時には遊離ヘモグロビンと鉄が放出され、急性期反応物質で遊離ヘモグロビンと結合するハプトグロビンはヘモグロビンと結合することでその濃度は低下する。また、古い赤血球が選択的に破壊されるためMCV値上昇が見られることもある。
赤血球が破壊される際にヘモグロビンが血管内に放出されるため、尿検査でヘモグロビン尿を示すこともある。
さらに、乳酸脱水素酵素もフットストライク溶血で上昇することが確認されている。
ウルトラマラソンランナーを対象とした研究ではハプトグロビン値がすぐに減少することが確認されたが、有意な貧血は認められなかった。これは…..続きはこちら