おはようございます。
国際情勢がにわかに緊迫しています。
イラン情勢に関して現地の知人たちから情報を得ていますが、真相は日本で報道されている内容とは全く異なるようです。
皆アメリカとサウジには怒りを通り越して呆れていましたね。
そのうちブログにまとめてみようと思います。
さてこのところ40肩のご相談が相次ぎました。
特に女性のご相談が多かった。
発症比率では男女差はないとする報告も見られますが、実際に相談にお越しになるのは圧倒的に女性が多いように思います。
治療後の説明だけでは伝わりにくい部分もあると思うので、Arthrofibrosis(40肩など線維性関節疾患の総称)について簡単に書いてみました。
Arthrofibrosisは怪我や手術、感染による炎症反応に起因して発生する線維性疾患です。
組織の過剰なコラーゲン沈着や癒着が嚢状器官や滑液包、腱を過緊張させて痛みを発現し、関節可動域を制限して患者のQOLを低下させます。
全ての関節で発生する可能性があり、癒着性関節包炎、関節拘縮と表現されます。
関節構造が線維化する過程では、怪我の慢性化や反復的な負荷によって発生するストレスシグナルが免疫細胞や線維芽細胞の働きを狂わせることが観察されています。その結果、主にコラーゲンで構成される瘢痕組織が関節内または関節周辺に形成されます。
関節に形成された瘢痕組織は関節可動域を狂わせ、時にインピンジメント症候群(関節同士の衝突)の原因となり、さらなる炎症を発生させて負のループを構成します。
最もやっかいなのが膝関節に発生した場合で、関節可動域の制限により周辺筋群の萎縮が起こり、運動どころか立ったり座ったりといった日常動作や車の運転が不自由になったり、膝の伸展制限によって睡眠にも影響し、QOLを著しく低下させます。
マネージメントにはカイロプラクティックおよび栄養療法が最適だと思う。
これらが信用できない人は手術を選択することになる。
しかし冒頭に記したように多くの論文でRISK要因に「手術による炎症」が挙げられているのだが・・・。
手術もナシとなると、NSAIDsやコラーゲン注射などが選択肢だろうか。
・カイロプラクティック
カイロプラクティックによる治療ではまず瘢痕組織、癒着の除去が優先される。
各関節によって癒着の発生しやすい構造がある。
例えば膝関節であれば後部関節包、大腿直筋直下の膝蓋上嚢部、膝蓋下脂肪体、大腿直筋腱あたり。
ある程度癒着が取れ次第、関節可動域の改善に移行。
・栄養療法
OMEGA3脂肪酸
カプサイシン
スルフォラファン(ブロッコリーに含まれる)
大豆製品(イソフラボン、ダイドゼイン、ゲニステイン)
ビタミンD
カリウム
オメガ3は身体各所の炎症反応に。
カプサイシンは線維芽細胞の分化抑制。
スルフォラファンは抗炎症作用と線維芽細胞の分化抑制。
大豆製品は炎症性サイトカインの抑制。
ビタミンDの欠乏によって肝臓や肺の線維化が確認された。ホメオスタシスの維持と同時に抗線維化物質としてビタミンDは重要。
カリウムは細胞内カルシウムイオンの調節。
アスリートやハードトレーニーといった、体内に炎症反応を多く抱えている人たちは日常的に上記の栄養素摂取やカイロプラクティックのケアを実践することで、障害予防になる。
逆に全く体を動かさない人も退行変性による組織の癒着リスクが高いので、こちらも上記のケアがおすすめ。