妊娠中または授乳中の女性におけるCOVID-19.mRNAワクチンの安全性に関するデータは乏しく、母親のワクチン接種が母乳を変化させるのではないかという懸念から、多くの母親がワクチン接種を拒否したり、授乳を中止することを決めている現状がある。
WHOは授乳中の人にもワクチンを接種することを推奨しており、ワクチン投与後に授乳を中止することは推奨していない。
安全性に関する直接的なデータがないため知識のワクチン接種後のヒトの母乳中にワクチン関連のmRNAが検出されるかどうかを調べた分析。
Evaluation of Messenger RNA From COVID-19 BTN162b2 and mRNA-1273 Vaccines in Human Milk
・本研究には7名の母乳育児中の母親(平均年齢、37.8 歳)がボランティアとして参加した。子どもの年齢は1カ月から3歳までであった。
・ワクチン接種後の母乳サンプルは,BNT162b2ワクチンまたはmRNA-1273ワクチンを投与してから4~48時間後に採取した.1人の参加者から複数の時点(4~48時間)を含めてワクチン接種後24時間に採取した13のヒトの乳サンプルを分析したところ、いずれのサンプルでも乳のどの成分にもワクチンのmRNAが検出されなかった。
・授乳中の7人から接種後4~48時間後に採取した13のミルクサンプルからは,ワクチン関連のmRNAは検出されなかった。
・これらの結果は、ワクチン関連のmRNAが乳児に移行しないこと、COVID-19 mRNAベースのワクチンを接種した授乳中の人は授乳を中止すべきではないという現在の推奨を裏付ける。
・本試験法の検出限界以下の残留mRNAは、乳児の胃腸系で分解されるため、乳児の曝露量はさらに減少すると考えられる。
・本研究の限界はサンプルサイズが小さいことと、mRNA-1273ワクチンを接種した被験者が少ないことである。ワクチンが授乳期の結果に及ぼす影響をより正確に推定するためには、より多くの集団から得られた臨床データが必要です。