高空腹時血糖値と胃がん(GC)リスクの上昇の関連は過去に報告されているが、過去の研究の多くは糖尿病(空腹時血糖値が126mg/dL以上)に焦点を当てたものであった。
リンクの研究は、糖尿病予備軍および糖尿病患者を含む空腹時血糖値が、GCの発症率に影響を与えるかどうかを調べたもの。
閉経後女性における高空腹時血糖値はGC発症の危険因子であると結論。
Influence of fasting glucose level on gastric cancer incidence in a prospective cohort study
・本研究の結果は、2021年11月10日に米国癌学会誌に掲載。
Tao氏を中心とする研究チームは糖尿病予備軍や糖尿病患者を含む高空腹時血糖値がGCの発症率に影響を与えると仮説を立て調査した結果、研究チームは空腹時血糖値が高いと胃がんの発生率が高くなることを発見した。
空腹時高血糖は、閉経後の女性における胃がん(GC)の発症と関連していることが判明。
2002年8月から2014年12月に韓国の国立がんセンターで健康診断を受けた16歳以上の参加者41837人を対象に前向き研究を実施。
被験者に2017年12月まで追跡調査を行い、GC症例を特定した。
空腹時血糖検査は8時間の絶食後に参加者から採取した静脈血サンプルをもとに実施。
Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、空腹時血糖値とGC発症率との関連を調べた。
結果
追跡期間中に263名のGC発症者が確認された。
閉経後の女性では、空腹時血糖値の高さとGC発症率との有意な関連が認められた。
また、非喫煙者、BMI<25kg/m2、GCの第一度の家族歴がないすべての参加者において、高空腹時血糖値とGC発症率との間に有意な関連が認められた。