近畿大学、新潟大学、⽯川県⽴大学大学院の研究グループが、ビフィズス菌を選択的に増殖させることのできる「次世代型プレバイオティクス」となりうるオリゴ糖を発⾒した。
Next-generation prebiotic promotes selective growth of bifidobacteria, suppressing Clostridioides difficile
善玉菌のみを増殖させる次世代型プレバイオティクス※1を発見
難病である偽膜性腸炎の新たな治療法開発に期待
ヒト腸内常在菌叢※4のうち菌数の多い27菌種(Nature, 2010, 464:5965.)およびビフィズス菌・乳酸菌・病原菌を試験管内で培養し、このうちビフィズス菌だけを選択的に増殖させる「ガラクトシル-β1,4-ラムノース (以下GalRha)」というオリゴ糖を、11種類のガラクトオリゴ糖の中からのスクリーニングにより発⾒した。
また、ビフィズス菌を、偽膜性腸炎の原因菌であるディフィシル菌と共にGalRhaを含む培地で培養すると、ディフィシル菌の増殖が抑制されることを明らかにした。
さらに、ヒトへの応用を視野に⼊れ、ヒト糞便、ビフィズス菌、ディフィシル菌を同時に培養したところ、GalRhaを含む培地では、含まない培地と比較してディフィシル菌の毒素産⽣が大きく抑制された。
本研究成果によって、GalRhaとビフィズス菌を組み合わせることによって、難病として知られる偽膜性腸炎の新たな治療法開発につながる可能性が示された。