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慢性炎症性疾患における腸内微生物叢と免疫系のクロストーク

2025年11月2日 by office-k

腸内微生物叢は消化管に生息する数兆もの微生物からなる共同体で、宿主の健康を維持し、広範囲の生理学的機能を調節する上で極めて重要な役割を果たしている。
”ディスバイオーシス”と呼ばれるこの微生物共同体の破綻は上皮バリアの完全性を損ない、異常免疫活性を誘発し、炎症誘発性代謝物の産生を引き起こす。これらの変化は慢性炎症性疾患の病態形成要因として認識されている。
最新研究では、腸内微生物叢が免疫恒常性の主要調節因子であることが強調されており、慢性炎症性疾患の発症と進行の間に、局所的および全身的な炎症プロセスに影響を与えている。

リンクのレビューは慢性炎症性疾患の代表である、関節リウマチ、炎症性腸疾患、乾癬、全身性エリテマトーデス、喘息、および血管炎に焦点を当てている。これらの疾患はすべて、調節不全の免疫応答と持続的炎症が特徴。これら疾患の病態形成における腸内微生物叢の役割に関する最近の研究を統合し、特に糞便微生物移植、食事の変更、プレバイオティクスおよびプロバイオティクス介入といった微生物叢ベースの治療法の開発への洞察を提供している。

【レビューの結論】

慢性炎症性疾患を有する患者は炎症が異なる身体部位で現れるにもかかわらず、しばしば調節不全の免疫応答を示す。
遺伝的素因と環境要因の両方が疾患の発達に寄与すると考えられている。
最近の数十年間で、様々な慢性炎症性病態の発症と進行における腸内微生物叢の極めて重要な役割が明らかになった。
各疾患が独自の特徴を示すにもかかわらず、ディスバイオーシスは患者間で共通の特徴であり、特定の腸内微生物叢のパターンが疾患によって異なるが存在する。
腸内微生物叢の構成の変化が疾患の駆動要因なのか結果なのかは依然として不明確だが、腸内微生物叢が腸管上皮に存在する免疫細胞と密接に相互作用していることは明白。この相互作用は免疫系の発達、微生物代謝物を通じた免疫調節、および腸管上皮バリアの完全性の維持に不可欠。
腸-免疫相互作用の複雑性を解明することは精密医療を進歩させる上で大きな可能性を秘めている。

Gut Microbiome and Immune System Crosstalk in Chronic Inflammatory Diseases: A Narrative Review of Mechanisms and Therapeutic Opportunities

慢性炎症における腸内微生物叢の主要メカニズム

腸内微生物叢が慢性炎症に寄与する主要メカニズムの一つは、粘膜免疫応答の調節への介入である。免疫細胞と腸管上皮細胞は腸内細菌とその産生物と相互作用し、免疫発達、反応性、寛容性を形作る。また、腸内微生物叢は腸管バリアの完全性を維持するために不可欠で、それによって病原体や炎症誘発性刺激の全身循環への移行(トランスロケーション)を防いでいる。ディスバイオーシスが発生すると宿主と腸内細菌間のこのデリケートなバランスが崩壊し、異常な免疫活性化、炎症、組織損傷が引き起こされる。
最新のエビデンスでは、腸内微生物叢が全身の免疫応答および神経内分泌シグナル伝達経路を介して、遠隔の臓器や組織と双方向に通信することが示唆されている。このクロストークは、関節リウマチ(RA)、乾癬、喘息などの腸管外の慢性炎症性疾患の病態に影響を与え、腸内微生物叢、全身性炎症、および免疫介在性疾患との密接な関連性を強調している。
さらに、腸内微生物叢は、短鎖脂肪酸(SCFAs)、胆汁酸、リポ多糖(LPS)、微生物抗原など無数の代謝物を産生し、これらは免疫細胞機能と炎症性シグナル伝達経路を調節する能力を持つ。
上記の知見から、慢性炎症性疾患の治療戦略として腸内微生物叢とその代謝物を標的とすることへの関心が近年高まっている。

腸内微生物叢が主導する免疫および炎症調節の概要

消化管(GI)には約100兆の細菌、真菌、古細菌、原生動物、およびウイルスからなる微生物が生息し、腸内微生物叢を形成している。この生態系は宿主と相互に有益な関係を維持しており、宿主は微生物に栄養と保護された生息地を提供する一方で、微生物叢は食事成分の消化を助け、免疫系と通信し、宿主全体の免疫を形作る。
この共生バランスが崩れると(ディスバイオーシスと呼ばれる)、感染症、神経疾患、慢性炎症、代謝症候群を含む様々な疾患が発症する可能性が高くなる。例えば、多くの常在菌を枯渇させる抗生物質治療後には、日和見病原体であるディフィシル菌(Clostridioides difficile)が増殖し、生命を脅かす大腸炎を引き起こすことがある。
また、ディスバイオーシスは腸管由来代謝物のプロファイルを変化させ、微生物叢のもう一つの重要な構成要素を再形成する。この再形成は腸粘膜免疫系と相互作用し、抗原認識、免疫細胞の動員および増殖に影響を与える。
腸内微生物叢由来代謝物は、一般に三つの主要グループに分類される。
(1)食事成分の直接的な微生物産物(例:SCFAs、トリプトファンとそのインドール誘導体)。
(2)微生物叢によって化学的に修飾された宿主由来分子(例:二次胆汁酸)。
(3)腸内微生物叢によってde novo(新たに)合成された代謝物(例:LPSおよびペプチドグリカン)。
これらの代謝物は、免疫細胞の代謝とシグナル伝達経路を調節することで炎症と宿主全体の健康に深く影響を与える。

腸管上皮バリア

腸管上皮は、消化管における侵襲性の病原体とその毒性因子に対する第一線の防御機構。
健康な腸管バリアは様々な微生物抗原や炎症性物質の全身循環への移行を防ぎ、それによって全身性炎症および免疫活性化のリスクを低減している。
有益な微生物とその代謝物は、腸管上皮バリア機能の保護と維持に本質的な役割を果たしており、腸管バリアの強化を助けるBifidobacteriumやLactobacillusなどの主要な有益な腸内細菌レベルの低下は、腸管透過性の亢進と関連付けられる。
食事成分の直接的微生物産物であるウロリチンA(UroA)とその合成アナログは、核内因子エリスロイド2関連因子2(Nrf2)経路を介して腸管バリア機能を強化し、不必要な炎症を抑制する。
SCFAsはタイトジャンクションタンパク質の発現を上方制御することで、腸管上皮バリアの完全性を維持する。また、SCFAsは上皮バリア機能をサポートして腸内恒常性を維持することにより、抗腫瘍免疫応答の調節と炎症関連副作用の軽減において重要な役割を果たす。
ウルソデオキシコール酸(UDCA)やタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)などの特定の二次胆汁酸は大腸炎誘発性ディスバイオーシスを軽減し、実験では大腸炎を抑制する有望性を示している。
ディスバイオーシスは有益微生物の抑制と病原体の異常増殖(outgrowth)につながる可能性があり、このシナリオではC. difficile毒素、志賀毒、エンテロトキシンなどの病原体とその毒性因子がバリア機能を破壊し、強力な局所炎症応答を誘導する。上皮透過性が増加すると、新規の微生物代謝物が全身性炎症にさらに悪影響を及ぼす。全身性炎症を誘導する古典的物質の一つはLPS。腸管バリア機能不全は細菌LPSへの透過性亢進につながり、それが免疫応答を誘発し、その結果慢性炎症につながる。最新研究では、微生物由来の細胞外小胞(BEVs)が免疫および防御応答を調節する役割、および腸管上皮バリアに影響を与えることを通じて疾患の発生に寄与する可能性も明らかにされている。

微生物叢と関節リウマチ(RA)の病態形成

近年、RAの進行に伴い患者の微生物叢組成が変化することが明らかになっている。
これは特定の微生物が疾患の病態形成に対して防御的に作用するか、あるいは寄与するかのいずれかであることを示唆している。
環境要因、喫煙、および食事の選択も腸内微生物叢とその代謝物の構成に影響を与えることから、RA病態形成の複雑性は増しているものの、Prevotella copriやPorphyromonas gingivalisなどの特定の細菌種がRAの発症と進行に関与していることを強調する複数の研究がある。P. copriは初期の滑膜炎と疾患重症度の増加に関連付けられている一方で、P. gingivalisは自己抗体の産生を促進して自己免疫応答を駆動する。また、Clostridium perfringensの過剰やFaecalibacterium prausnitziiの減少などの他の微生物の不均衡がRA患者で観察されており、特定の細菌種が疾患の病態形成に関与している可能性がある。
微生物感染もRAの重要な誘発因子と見なされている。
RA患者とリスクのある患者の両方から分離されたSubdoligranulumaの株を健康なマウスに定着させると、マウスモデルでヒトRA疾患を再現できることが実証されている。

RAにおける三つの微生物叢関連メカニズム
(1)リーキーガット上皮が媒介する全身性炎症
(2)分子擬態と自己抗体産生
(3)微生物代謝物を介した免疫細胞の調節
RA患者では腸管バリアの完全性が損なわれ、全身性炎症の強力な刺激物質であるLPSの血中レベル増加を伴うが、LPSレベル上昇が主因なのかRAの結果なのかについては議論が続いている。これは腸管透過性の増加が全身性炎症を駆動するのではなく、それに起因する可能性があるため。特定の食事やライフスタイルの要因も微生物叢と腸管バリア機能の両方に影響を与える可能性があり、この関係の複雑さを増している。
さらに、ディスバイオーシスは自己抗原に対する自己抗体の産生を刺激し、RAにおける自己免疫応答をさらに永続させることがある。RA患者からSubdoligranuluma株(S. didolesgiiと命名)を分離してマウスに経口投与すると、関節を攻撃する全身性自己抗体とT細胞を発症することがわかっている。
興味深いことに、B細胞またはCD4+T細胞の枯渇を伴うマウスでは腸内免疫応答が停止し、検出可能な臨床疾患も排除されている。これは細菌がヒト関節抗原と非常に似た特定のタンパク質を発現し、それによって免疫系が両方を攻撃するように混乱させている可能性がある。この現象はRA患者が細菌抗原に対する抗体レベルの増加を示すという発見によってさらに裏付けられており、腸内細菌とRAにおける免疫応答との直接的関連を示している。
さらに、RA患者における酪酸レベルの低下は炎症誘発性活性の増加と制御性T細胞集団の減少に関連付けられており、疾患調節における微生物代謝物の重要性を強調している。

腸内微生物叢を標的とした関節リウマチ(RA)治療法:現在と未来

プロバイオティクス、プレバイオティクス、および食事介入を通じた腸内微生物叢の治療的調節は、RA関連転帰に影響を与える潜在的戦略として提案されいる。例えば、高繊維食は抗炎症応答を強化し、潜在的にRA重症度を軽減するSCFAsの産生を増加させる。
Lactobacillus caseiなどの特定のプロバイオティクス株の投与は、RA患者における疾患活動性スコアおよび炎症マーカーの改善を実証している。
新たなアプローチは腸内細菌叢移植療法(FMT)で、予備研究では腸内微生物バランスの回復とRA症状緩和の初期のシグナルを示している。
個別の微生物叢プロファイルに基づくカスタマイズされたプロバイオティクスやプレバイオティクスの治療などの標的化された介入は、疾患活動性の軽減と患者の転帰の改善におけるそれらの有効性を評価するために検討されるべきで、RAにおける腸内微生物叢と自己反応性免疫応答との相互作用を解明するメカニズム的研究は、新規の微生物叢調節療法を開発する上で極めて重要となる。

炎症性腸疾患(IBD)

腸内微生物叢とIBDの病態形成

IBDは消化管の慢性炎症性疾患グループの代表で、主にクローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)からなる。これらの病態は遺伝的感受性のある個人における常在腸内微生物叢に対する免疫応答の調節不全を特徴とすし、遺伝的素因、環境要因、および腸内微生物叢ディスバイオーシスの間の複雑な相互作用が関与している。
IBD患者は腸管内腔から腸間膜リンパ節および全身循環への細菌移行の増加を示すことが多く、この移行の一部は腸管バリア機能の低下によるもので、全身性の免疫活性化を引き起こす可能性がある。、この現象は他の慢性炎症性疾患とは異なってIBDで特に顕著であり、腸管バリアの完全性の重度の破綻を反映している。
最近の研究では、IBDの病態形成における宿主と微生物の相互作用の重要性が強調されており、特定の微生物パターンが疾患の予測と進行のためのバイオマーカーとして役立つ可能性を示唆している。
IBD患者では腸内微生物叢組成と機能の変化が観察され、微生物多様性の減少、微生物構成と代謝物の変化、およびF. prausnitziiやBifidobacterium種などの有益な細菌の存在量の減少が顕著になる。これらの変化はEscherichia coliやC. difficileなどの潜在的な病原性細菌の存在の増加を伴うことが多く、それらは腸の炎症を悪化させる可能性がある。

特定の腸内細菌とIBD

IBDでは粘膜関連細菌の顕著な増加が観察され、特にCD患者の回腸とUC患者の結腸で顕著である。Ruminococcus gnavusなどの細菌は粘膜層を分解して上皮を微生物抗原に曝露させ、炎症応答を誘発する可能性がある。上皮表面の近傍にこれらの細菌が存在することはIBDの病態形成における際立った特徴。付着侵入性大腸菌(AIEC)株はCDと特異的に関連付けられており、この細菌は腸管上皮細胞に付着して侵入し、マクロファージ内で生存および複製し、強力な炎症誘発性応答を誘導する。また、AIECsは腸粘膜上にバイオフィルムを形成する可能性があり、これが宿主の免疫応答と抗生物質からAIECsを保護し、CDに特徴的な慢性炎症を引き起こす。
抗炎症特性で知られるF. prausnitziiなどの有益な微生物の存在量減少は、免疫恒常性の維持を助ける制御シグナルの喪失をもたらすと同時に、E. coliなどの病原性細菌の異常増殖は炎症誘発性経路を刺激する。これらの病原体は粘液層を透過して腸管上皮に付着し、TNF-αなどの炎症性サイトカインの産生を誘導すし、それによって炎症カスケードを悪化させる。

IBDに対する現在の微生物叢を標的とした介入

プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、ハーブ療法、およびFMTなどの介入は腸内ディスバイオーシスの軽減、粘膜バリアの完全性の強化、および炎症の緩和を目的としており、特に活動性UC、パウチ炎、およびC. difficile感染によって合併症を伴う症例の管理において有望なシグナルを示している。
FMTは腸内微生物バランスを回復させるために、健康なドナーからIBD患者の消化管への糞便移植を行う。初期臨床試験からの予備的結果は、FMTがUCを有する一部患者で寛解を誘導できることを示したが、CD患者におけるその有効性は依然として変動がある。
プロバイオティクスは腸管バリア機能を強化し、免疫応答を調節する可能性が高い。BifidobacteriumやLactobacillus種などの特定のプロバイオティクス株は特にUC患者において炎症を軽減し、寛解を維持する有望性を示している。
プレバイオティクスは有益な細菌の増殖を促進する非消化性食品成分であり、IBDの補助療法として探求されている。抗炎症性食品を組み込み、加工食品を減らすなどの食事の変更とプレバイオティクスの摂取を組み合わせることで、腸の健康をサポートし、全身性炎症を緩和することができる。イヌリンやフラクトオリゴ糖(FOS)は有益な細菌の増殖を増加させ、腸の健康を改善する可能性がある。食事介入は腸内微生物叢を形作り、IBDの進行に影響を与える上で重要な役割を果たす。低FODMAP(発酵性オリゴ糖、二糖、単糖、ポリオール)食、完全経腸栄養(EEN)、および地中海食などの食事は炎症の軽減、微生物多様性の促進、および有益な細菌の増殖のサポートに関連する。個人の微生物叢プロファイルに基づいた個別化された食事介入は、IBD患者における治療上の利益を最適化することを目的とした有望。

乾癬(Psoriasis)

腸内微生物叢と乾癬の病態形成

最新研究では腸内ディスバイオーシスが疾患の発症と進行に寄与する可能性が示唆されており、乾癬患者は一貫して健康な対照群と比較して微生物多様性の減少、特定の分類群の変化、および有益な種と病原性の種との間の不均衡などの腸内微生物叢の変化を示すことが明らかになっている。具体的には、Bifidobacterium、Akkermansia、およびLactobacillusなどの有益株の減少、およびRuminococcus torquesやR. gnavusなどの炎症誘発性微生物の増加が観察されている。しかし、これらの変化が乾癬の原因なのか結果なのかについてはわかっていない。
腸-皮膚軸の存在は増加し続けるエビデンスによってますます支持されており、乾癬の炎症性皮膚病態の調節におけるその役割を強調している。腸内微生物叢の破綻は腸管透過性の亢進と関連し、細菌産物が乾癬を悪化させる全身性炎症を誘発することを可能にする。例として、皮膚科患者を対象とした症例対照研究は特定の腸内微生物叢の変化に応答したインターロイキン-1αレベルの上昇が乾癬と関連していたことを示している。
前臨床治療モデルでは、メトトレキサートなどの伝統的な乾癬治療とプロバイオティクスであるBifidobacterium longumの組み合わせが腸管バリア機能の維持、炎症誘発性サイトカインの減少、およびTh17/Treg細胞集団の再均衡を含む相乗的な効果を実証している。

全身性エリテマトーデス(SLE)

腸内微生物叢とSLE

様々な研究が、腸内ディスバイオーシスとSLEの病態形成との間の潜在的関連性を示唆している。健康な対照群と比較したSLE患者の腸内微生物叢における顕著な変化が強調されている。注目すべきは、FirmicutesやBifidobacteriumなどの有益な細菌のレベルの減少が、R. gnavusやProteobacteriaなどの潜在的な病原性細菌の増加とともに報告されていることで、疾患再発と関連するR. gnavusは、全身性炎症を悪化させる炎症誘発性多糖を産生する可能性がある。さらに、Proteobacteriaには強力な免疫応答を誘発する様々な病原性種が含まれ、自己免疫病態をさらに悪化させる。

RAと同様に、SLEにおける腸内ディスバイオーシスは三つの主要経路を通じて炎症を誘発する可能性がある。
(1)リーキーガット上皮が媒介する全身性炎症
(2)分子擬態と自己抗体産生
(3)微生物とそれらの代謝物を介した免疫細胞の調節

SLEにおけるリーキーガットには、患者における血清LPSレベルの上昇、およびSLE動物モデルと患者の両方におけるEnterococcus gallinarumやLactobacillus reuteriなどの特定細菌の内部臓器への移行が含まれる。これらの微生物は、形質細胞様樹状細胞(pDCs)の活動を強化し、インターフェロンシグナル伝達経路を活性化する。さらに、SLE患者は腸内細菌に対する血清抗体と自己抗体のレベルの増加を示し、腸管バリア機能不全によって駆動される可能性が高い全身性免疫活性化を示している。

微生物学的治療戦略/介入と将来の方向性

最新のエビデンスは腸内ディスバイオーシスとSLE間の潜在的関連性を示唆しており、FMT、プロバイオティクス、プレバイオティクス、および食事の変更などのアプローチが、微生物バランスを回復させ、疾患転帰に影響を与えるために提案されている。
SLE患者におけるFMTの安全性を評価する初の臨床試験が中国で行われ、患者は炎症応答の減少とFirmicutes:Bacteroidetes比の改善を示した。この試験は将来のSLEの潜在的治療法としてのFMTを支持する肯定的な証拠を提供している。
イヌリンやFOSなどのプレバイオティクスを食事に追加することは、有益な腸内細菌の増殖を選択的に促進し、潜在的にSLEの症状を緩和する可能性があるが、臨床的証拠は限定的。

喘息

腸内微生物叢関連の証拠

喘息のトリガーは花粉、ダニ、動物のフケを含むアレルギー性刺激物と、大気汚染物質、呼吸器感染症、薬物、極端な天候などの非アレルギー性刺激物に広く分類される。
最近の研究では、腸内微生物叢が免疫応答と喘息の発達の主要調節因子であることが強調されている。成人における微生物叢の変化の役割は理解されていないが、対照的に小児喘息では早期の腸内微生物叢の破綻と強く関連することが示されている。生後100日間は免疫可塑性と微生物定着の高まった期間で、周産期の抗生物質の使用などは抗炎症性微生物代謝物(例:SCFAs)を枯渇させ、結果として喘息リスクを高める。
特定の属、例えば Lachnospiraceae、Faecalibacterium、および Lachnospiraの存在量の低下が、高リスクの子供の腸内微生物叢で報告されている。
母乳育児を介した有益な株、BifidobacteriumとLactobacillusの富化は、喘息の発症の予防に役割を果たす。これらの株がヒトミルクオリゴ糖(HMOs)をTreg細胞の発達と炎症の抑制に不可欠な酢酸と乳酸に代謝する能力を有している可能性がある。
乳児期の C. difficileまたは真菌種(例:Candida albicans)の定着は、後の喘息発症と関連している。

喘息の病態形成における腸-肺軸

腸-肺軸は、消化器系と呼吸器系との間の双方向の免疫学的に媒介された対話を包含している。腸と肺の微生物叢の両方が免疫恒常性の維持に不可欠であり、それらの調節不全は喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患に関与している。
喘息では、この軸は複数の相互に連結したメカニズムを通じて肺の炎症を調節し、早期の腸内ディスバイオーシスが免疫の誤ったプログラミングと代謝不均衡の重大なドライバーとして疾患リスクを高めている。
喘息における腸-肺軸の主要メカニズムには、抗炎症性代謝物と免疫調節、腸内ディスバイオーシスと炎症、およびIgE産生が含まれる。
腸内微生物叢由来のSCFAs、例えば酢酸、プロピオン酸、および酪酸は喘息患者の血清中で有意に減少している。腸で生じる代謝物は全身循環に入り、気道内の免疫細胞の遊走を調節する可能性がある。これらの代謝物は腸管バリア完全性を強化し、微生物移行と全身性炎症を防ぐ。
対照的に、腸内ディスバイオーシスは異なる炎症性プロファイルと相関している。腸内微生物叢の構成は、好酸球性または好中球性炎症などの異なる種類の炎症とも関連付けられており、異なる喘息表現型の発達に寄与する可能性がある。
抗生物質の投与は喘息マウスモデルにおいて、腸内微生物叢と腸管バリア機能を破壊することによって喘息を悪化させることが示されている。
PrevotellaやBacteroidesなどの特定の細菌は炎症に関連するメカニズムの活性化に関与しており、腸内微生物叢の障害と喘息の病態形成を関連付ける。
腸内微生物叢におけるProteobacteriaは、IL-33などのサイトカインを調節することで宿主防御のための肺への2型自然リンパ球(ILC2s)の遊走を調節する。
ディスバイオーシスは、IgEクラスのスイッチと産生を強化するIL-4やIL-13などのサイトカイン誘導によって2型炎症を駆動する可能性があり、これが炎症カスケードに影響する。

腸内微生物叢ベースの治療法

プロバイオティクスは喘息の主要または補助療法として、あるいは高リスク乳児における喘息発症を予防するための予防的介入として適用されてきた。過去10年間、臨床試験で最も頻繁に研究されたプロバイオティクス株は、LactobacillaceaeとBifidobacterium。しかし、研究間の一貫性のない結果のために、これらのプロバイオティクスの有効性は依然として結論が出ていない。
イタリアの研究では、L. salivariusとBifidobacterium breveの組み合わせが400人を超える小児患者で評価され、プロバイオティクス治療が喘息増悪の頻度を三分の一以上減少させたことは注目に値する。
S. boulardiiによる治療は患者の肺機能の部分的改善を示し、IgEとIL-5レベルを調節することもわかっている。前臨床研究では、S. boulardiiがN6-メチルアデノシン依存的な方法でメチルトランスフェラーゼ様3を上方制御することで症状が緩和することが判明した。

・・・・つづく

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